2023年12月26日

骨粗しょう症(骨粗鬆症)について

治験コンシェル

骨粗しょう症(骨粗鬆症)について

骨粗しょう症とは?

近ごろ背が低くなってきた。背中が丸まってきた。ささいなことで骨折した。 閉経している。若い頃から生理不順だった。急激なダイエットをしたことがある。めったに出かけない、日光に当たらない生活をしている。 こうした項目に心当たりのある人は、骨粗しょう症かもしれません。 骨粗しょう症とは、骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気のこと。エジプト文明の時代からある病気だと言われていますが、近年、平均寿命が延びてきたことで高齢者数も増え、高齢者の「寝たきり」になる理由の約20%が「骨折」といわれるなど深刻な問題となっています。 自覚症状がほとんどないため、知らないうちに骨粗しょう症になっている人が約1000万人と言われています。その中で背中や腰に痛みが出たりするのは、脊椎の一部がスカスカになって、いつの間にかつぶれてしまう圧迫骨折になっている可能性があります。 閉経後の女性に多く見られるため、女性の病気と思われがちですが、患者の4人に1人は男性です。 男性の場合、治療を行わずに放置していると重症化しやすく、大きな骨(大腿骨や腰椎)を骨折することが多いため、早めの診断と治療が大切です。

その原因は?

人間の骨は3年で生まれ変わっています。 古くなった骨が壊されることを「破骨細胞による骨吸収」、新しい骨がつくられることを「骨芽細胞による骨形成」といい、この骨吸収と骨形成がバランスよく行われることで健康な骨がつくられます。骨量(最大骨量)は20歳までに形成され、30~40歳代まで持続と増加をしますが、年齢を重ねるにつれ、次第に減少してきます。 骨粗しょう症は、加齢、閉経、偏食、カルシウム摂取量不足、運動不足、日光に当たらない生活、喫煙、極端なダイエット、嗜好品の取り過ぎなど、さまざまな要素によって「健康な骨の形成」が進まなくなるのが原因です(多くの原因が複雑に関係して発症する病気のため、原因をひとつだけに決めることはできません)。 ただ、ここに挙げた原因の中で加齢、出産や閉経などによるホルモンバランスの崩れ、運動不足など、複数の要素が合わさる閉経後の女性は、男性に比べて骨粗しょう症の可能性がより高くなるのは知られているところです。

治療法は?予防するには?

基本は「食事療法」と「運動療法」で生活習慣を改善

ふだんから、カルシウムを多く含む食品を摂るだけでなく(1日の目安は800mg)、カルシウムの吸収を助けるビタミンDやビタミンKが豊富な魚介類や納豆などを積極的に摂るようにして、バランスの良い食事をめざします。 ビタミンDは、食品以外に日光からもとることができます。日光に当たると、ビタミンDが皮下で合成され、腎臓や肝臓で活性化されることで腸でのカルシウムの吸収を助けます。1日5分程度の日光浴を心がけましょう。 また、適度な運動をすることで骨量を増やす効果が期待できます。続けることが大切ですから、散歩やウォーキングを日課にし、ストレッチなどを加えることで転倒しないための筋力やバランス力を身につけるようにします。

最終的には薬による治療を

すでに圧迫骨折が起こっている人や骨密度が低下している人には、破骨細胞による骨の吸収を抑える薬や女性ホルモンに似た働きで骨のカルシウムが溶け出すのを防ぐ薬、骨の形成をサポートする副甲状腺ホルモン薬などを服用することで、骨密度を高める治療をします。 新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html

執筆者

治験コンシェル
治験バンクコラムの企画・執筆・編集をしています。マーケティング、SEO対策、デザインに強みを持ったメンバーが、最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。