2023年11月29日

うつ病について

治験コンシェル

うつ病について

うつ病とは?

良いことがあっても憂うつな気分は変わらない。趣味が楽しめない、やる気が起こらない。楽しかったり喜んだりという感情が湧かない。眠りが浅く、何度も目が覚める。熟睡感がない。出かけたくない。 こうした症状が2週間以上継続することをうつ病と呼びます。 うつ病は、脳のシステムにトラブルが生じたために起こる、「憂うつ感」を主な症状とする病的な精神状態のこと。「何にも興味がわかない」、「活動力が減退する」など、精神と体の両面にわたって低調になります。 通常、憂うつな状態は、人が本来持っている自然治癒力で和らいでいくものです。これが改善しなくなったり、さらに悪化したり、仕事や家事、育児、勉強、人付き合いなどの日常生活に支障が出てくるようなら病気としてとらえ、治療を考えましょう。

その原因は?

近年、うつ病患者は確実に増えています。WHO(世界保健機関)の調査では日本のうつ病患者を約300万人と推計していますが、日本の精神科医療の関係者たちは約600万人とみています。しかし実際に精神科を受診している人は約100万人に過ぎない状況です。 うつ病発症の最も大きな原因は、ストレスだと言われています。 「家族や親しい人の死や別れ」「仕事、家庭、財産など、大切なものの喪失」「仕事や人間関係のトラブル」「環境の変化」などによる強いストレスがきっかけで脳内の神経伝達物質のバランスがくずれ、感情のコントロールがきかなくなってうつ病が起こるとされています。 ほかにも、「正義感・義務感が強い」「仕事熱心」「完ぺき主義」「几帳面」など性格的に脳のエネルギー放出が多い人は、うつ病発症のリスクが高いといえます。 うつ病患者を男女比でみると女性のほうが多くなっています。女性特有のホルモンの変動に原因があるようですが、正確な原因は解明されていません。女性が経験する思春期、妊娠・出産・産後、更年期などのライフステージごとに受けるストレスがうつ病の引き金にもなっているようで、「産後うつ」「更年期うつ」と呼ばれたりします。

治療法は?予防法は?

治療の基本は「休養」「薬物療法」「精神療法・カウンセリング」の3つです。 「休養」は、仕事や残業を減らす、または一定期間仕事を休んで自宅療養をしたり入院治療をしたりと、患者さんの状態に合わせて実施します。 「薬物療法」は、感情の調節に関わる神経伝達物質が、正常に機能するようサポートする「抗うつ薬」を使用します。 抗うつ剤は、飲んですぐに効果が出るものではないため、あせらずに服用を継続することが大切です。また、多少の副作用があるため、専門の医師に相談しながら、状況を確かめつつ治療を進めます。 「精神療法・カウンセリング」にもさまざまな方法がありますが、共通しているのは「患者自身の治療へのモチベーション維持」が必要なことです。

最新の治療法TMS

うつ病は治療により半年から1年程度で症状の改善がみられるようになる病気ですが、残念ながら治療が長期化している患者さんもいます。一般的に、標準的なうつ病治療を行っても長期化する患者さんが20〜30%存在しているといわれています 抗うつ剤が効かず再発を繰り返す患者さんに向けて、最近注目されているのが低下した脳の働きを改善する「TMS:経頭蓋(けいとうがい)磁気刺激」という最先端の治療法です。 これは誘導電流(渦電流)で特定部位の神経細胞を繰り返し刺激して、うつ病によるうつ症状を改善させるものです。 アメリカですでに改善効果が認められており、日本でも社会復帰を後押しする治療法として注目されています。

予後について

うつ病の治療は「急性期、回復期、寛解後」の3段階で行い、急性期にいちばん重視すべきなのが休養、回復期は薬物療法と生活指導、寛解後の再発予防には精神療法・カウンセリングだといわれます。 うつ病が寛解した後、自己判断により早期に服薬を中止してしまうと、うつ病が再発してしまうこともあるので、薬を減らすタイミングは主治医とよく相談し、根気強く再発予防に努めることが大切です。 新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html

執筆者

治験コンシェル
治験バンクコラムの企画・執筆・編集をしています。マーケティング、SEO対策、デザインに強みを持ったメンバーが、最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。