2023年11月10日

心筋梗塞について

治験コンシェル

心筋梗塞について

心筋梗塞とは?

突然、左胸部や左肩・首・下あご・みぞおちに締めつけられるような痛み、あるいは胸が押しつぶされるような苦しさが起こる。 「焼け火箸で刺されたような痛み」とか「えぐられるような痛み」「石で胸を潰されたような痛み」といわれるほどの激しい苦しみに襲われ、中には死の恐怖を感じる人も。 心筋梗塞は、突然起こる発作です。ただ、前ぶれと思われる症状がないわけではありません。胸の痛み、胸が締めつけられるような圧迫感(狭心症の症状)を覚える・・・。心筋梗塞を起こした人の半数ほどが、発症する1〜2カ月前にそうした前兆を経験しています。 しかし、残りの半数は前兆なしに、いきなり発症します。 心筋梗塞とは心臓(心筋)が酸素不足になり壊死する病気です。この病気のコワイところは、酸素不足=血流が止まってから20分で心筋細胞の壊死がはじまり、細胞が壊死すると二度ともとの状態にもどらないというところです。 日本人の死亡原因の第2位にあげられている心筋梗塞は、60代の男性に圧倒的に多いと言われています。

原因は?

心筋梗塞の原因のほとんどが動脈硬化です。 高血圧や脂質の取り過ぎなど、さまざまな要因で血管が柔軟性を失い、硬くなってしまう現象を動脈硬化と言います。動脈硬化が進むと血管壁が厚みを増し、血管の内径が狭くなります。この、血流が悪くなった状態が狭心症です。 心筋梗塞の大部分は、動脈硬化が進んだ血管壁(冠動脈の壁)にコレステロールなどが沈着して、こぶのように盛り上がった「アテローム(粥腫:じゅくしゅ)」ができることで発症します。このこぶが大きくなって破裂すると、そこに急速に血栓(血の塊)ができ、血管がふさがれてしまいます。これが心筋梗塞です。(動脈硬化以外の原因もあります) よく似た症状の狭心症との違いは、「狭心症」は血液の通り道である冠動脈が狭くなって血流が悪くなり、心臓の酸素が不足して胸が痛むなどの症状が出る病気。「心筋梗塞」は心臓に酸素と栄養分を運ぶ冠動脈が詰まって、血液が流れなくなり、酸欠によって心筋の一部が壊死(死滅)する重篤な状態をいいます。 狭心症から心筋梗塞に移行することはよくあります。心筋梗梗塞の発作を起こす3~4週間前に狭心症の発作を起こしていた人も多いようです。 狭心症との大きな違いは、心筋梗塞は発症すると安静にしていても激しい胸の痛みが20分以上続くというところです。

治療法は?

心筋梗塞が起こって冠動脈が詰まってしまったら、その先にある心筋が壊死してしまい、心臓から十分な血液が全身に送り出せなくなります。 発作後数時間で痛みが引いていきますが、これは発作が治まったのではなく、壊死によって痛みの間隔がなくなっているからです。 壊死は20分ではじまるといわれていて、そのまま壊死の範囲が広がっていけば、呼吸困難や血圧低下、意識障害に陥り、場合によっては死に至ることもあります。 一刻を争うため迅速な処置が必要です。まずは救急車を呼んで病院へ。 心筋梗塞は発症後6時間以内の処置が生死を分けると言われています。 6時間以内に血流を再開させることが重要で、血管の狭くなった部分を広げて、血液のスムーズな流れを取り戻すため、初期対応として血栓溶解療法がとられます。静脈から血栓を溶かす血栓溶解剤ウロキナーゼを大量に点滴し、冠動脈内で詰まっている血栓を溶かして血流を再開させます。 さらにより早い血流の確保を目指してPCI(経皮的冠動脈インターベンション)を併用することもあります。 ほかにも、PCIにかわる冠動脈血行再建術として、冠動脈バイパス移植術: CABG(バイパス手術と呼ばれる)があります。

治療の前に「予防」が大切

心筋梗塞の治療は、動脈硬化を完治させるわけではありません。病気にならないためには “動脈硬化を促進させないこと”が何より大切。 動脈硬化は、加齢とともにだれでも少しずつ進みますが、それを促進するのが肥満、高血圧、高血糖、脂質代謝異常などです。 すでに持病のある人は病院を受診して、医師の指導を受けましょう。 また今は健康な人も、禁煙をする、塩分・脂肪分の取りすぎに注意してバランスの良い食生活を心がける、適度な運動をする、ストレスをためないようにする、生活習慣を整えるなどして、予防を心がけたいものです。 新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html

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治験コンシェル
治験バンクコラムの企画・執筆・編集をしています。マーケティング、SEO対策、デザインに強みを持ったメンバーが、最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。