2024年4月15日

睡眠について

治験コンシェル

睡眠について

睡眠の目的とは

新生活が始まり、朝起きられない、疲れがなかなかとれないということがあるかと思います。
それは睡眠のとり方を改善させることで、解消できるかもしれません。

脳の休養、メンテナンス

単に受動的に休養するだけではなく、より積極的な保守作業を行っています。
例えば、脳の老廃物でありアルツハイマー病の原因でもあるアミロイドβ(ベータ)というタンパクは主に睡眠中に脳脊髄液中へと洗い流されています。

記憶の整理・定着

前日嫌な思いをしたけれども、一晩寝たら何となくすっきりしたという経験はないでしょうか。
これは睡眠中に嫌な記憶が整理され、必要に応じて消去されているからです。また学習した記憶が睡眠によって定着・保持されるだけでなく、むしろ向上・強化されることも複数の研究によって示されています。

ホルモンバランスの調整

寝入りばなの数時間で成長ホルモンがたくさん分泌され、子供の骨や筋肉の成長は促されます。
しかし成長ホルモンの役割はそれだけにとどまりません。
アンチエイジングホルモンの代表格とされ、肌や筋肉、骨、内臓の傷んだ細胞を修復し新陳代謝をサポートし、免疫力や脳、視力の働きを強化するほか、コレステロール値の低下作用もあります。
また、睡眠不足になると脂肪細胞から分泌される食欲を抑制するレプチンというホルモンが減少し、胃から分泌される食欲を増すグレリンが増え、生活習慣病を発症する可能性が高まってしまいます。

免疫力向上

睡眠前から睡眠期前半にかけて多く分泌されるメラトニンというホルモンには、胸腺という臓器に働きかけて、免疫の主要な働きを担うTリンパ球をたくさん作らせる役割があり、感染症を治癒に向かわせます。
また、インフルエンザなどの予防接種の効果は睡眠の足り具合によって差があることも報告されています。

良質な睡眠をとるために

良質な睡眠をとるためのポイントは、その日の朝にあります。
人間の体内時計の周期は24時間11分と言われており、地球の自転とは約11分間のずれがあります。
これを日々修正しないと体の調子は乱れる一方になってしまうのです。
そこでこのズレを修正する役割が必要になります。
それが太陽の光です。朝起きて太陽の光を浴びることで、親時計がそれを認識し時計遺伝子のスイッチがリセットされます。
そしてそれから約15時間後に眠気を促すメラトニンというホルモンの分泌が始まるよう、遺伝子に書き込まれているのです。

このような規則正しく安定した睡眠サイクルを持続させるために、どのようなことを心掛けたらよいのでしょうか。

時計遺伝子の3つのスイッチ

安定した良質な睡眠を得るために、毎朝できるだけ6時から7時頃に起きて太陽の光を浴びましょう。
曇りでも構いません。雨であれば窓際に数分たたずむだけでも親時計はリセットされます。
すると、自律神経を介して時間合わせが行われ、血圧・体温・代謝などのコントロールが開始されます。
次のスイッチとなるのは食事です。
起床後1時間以内には朝食を摂りましょう。できれば睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となるトリプトファン(必須アミノ酸の一つ)を多く含む乳製品、卵、納豆、鶏肉といった食材を摂ることがおすすめです。
朝食を抜くと、メラトニンの分泌が乱れ睡眠の質が下がる可能性があります。
そして3番目のスイッチは運動です。
大げさな運動である必要はなく、顔を洗う、歯を磨く、ごみ捨てに行くといった日常的な動作でも体内時計は微調整されます。
朝6時に起床し朝陽を浴び、適切に朝食を摂り活発に活動して十分に全身の子時計がリセットされれば、約15時間後の夜9時ころからメラトニンの分泌が始まり夜10時~11時ころには眠気を催してくるはずです。
メラトニンは睡眠を促し免疫力アップに働くだけでなく、成長ホルモンと並ぶアンチエイジングホルモンとして体内に発生する活性酸素を除去(抗酸化作用)し、老化や病気を未然に防いでくれます。これらの作用を十分活かすため、夜間注意すべきことがいくつかあります。

気を付けるべきこと

1.睡眠時間

朝6~7時に起床するならば、夜10時から12時くらいまでには就寝につくライフスタイルを目指しましょう。
アメリカで100万人を対象にした睡眠時間と寿命についての調査によると、睡眠時間が7時間の人たちに比べ、3時間半~4時間半・8時間半の人たちはともに死亡率が15%も高かったという結果があります。なので、およそ7時間の睡眠時間を目標としましょう。

2.光の調整

次に、就寝の準備時間になったら光に注意をしましょう。
部屋の灯りはオレンジなどの暖色系の間接照明にすると、眠気を妨げにならないのでおすすめです。
スマホのブルーライトはメラトニン分泌を抑制するほどの強い光であり、その電磁波はメラトニンを破壊するとも言われています。夜10時以降のスマホの使用はできるだけ控えましょう。

3.入浴

入浴の仕方にも気を使いましょう。
入浴の時間は就寝の1~2時間前が理想的です。
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かると、体の興奮は鎮まり、毛細血管への血流がアップします。お風呂から上がると体表の毛細血管より熱の放出がスタートし、体温はスッと下がり始め次第に眠気が訪れやすくなります。
風呂場の灯りが明るすぎたり、湯が熱すぎてしまうとかえって体が興奮し、寝つきが悪くなりますので注意しましょう。

新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html

執筆者

治験コンシェル
治験バンクコラムの企画・執筆・編集をしています。マーケティング、SEO対策、デザインに強みを持ったメンバーが、最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。