2024年4月08日

日焼けについて

治験コンシェル

日焼けについて

日焼けとは

紫外線により皮膚が赤くなるサンバーン(sunburn)と、その後黒くなるサンタン(suntan)の2つを合わせて日焼けといいます。日焼けが、紫外線によってもたらされるものだということは、ご存知の方も多いかと思います。

紫外線(UV:Ultra Violet)

紫外線は、太陽光線であり、地表に届く光の中で最も波長の短いものです。紫外線の中でも、波長によって、UV-A、UV-B、UV-Cに分けられます。
UV-Cはオゾン層と空気中の酸素分子により遮られ地表には届かないので、日焼けに関係してくる紫外線はUV-BとUV-Aになります。

UV-Aによる日焼けの特徴

UV-Aはメラニン色素を作る色素細胞(メラノサイト)を刺激し、メラニンが生成され、色素沈着が起こります。メラニン色素は紫外線を非常によく吸収するため、次の紫外線にさらされる時に備えた防御機構といえます。また皮膚の中に普段から存在するメラニン色素が酸化されて一時的により黒くなります。
メラニン色素はシミ・そばかすの元となり、皮膚の真皮にある弾性線維というものを破壊するため光老化の原因になります。
弾性線維は、皮膚の張りを保っているため、その弾性線維が機能しなくなると、皮膚の張りがなくなり、しわ、たるみができてしまいます。皮膚は厚くがさがさになり、色も濃くなるということです。

UV-Bによる日焼けの特徴

UV-Bは皮膚細胞のDNAに吸収され、DNAに傷を作ります。
しかし、細胞にはこのように傷つけられても、この傷を取り除く仕組みが備わっています。こういった修復反応がきっかけとなったり、直接的に細胞膜の障害が細胞内に伝わったりすることで、炎症を起こす様々な遺伝子が発現し、放出されます。
UV-Bの日焼けでは、UV-Bを浴びた直後は皮膚の炎症が起こり赤くなってヒリヒリと痛みます。そして1週間ほどで皮がむけます。
これは死んだ皮膚が薄い膜上になって剥がれ落ちるためです。UV-Bを浴びてから3~4日経って、色素沈着し褐色(サンタンの状態)にもなります。
UV-Bの日焼けとは、急性日光皮膚炎とも言い、皮膚の火傷なのです。皮膚細胞のDNAが傷つけられるため皮膚ガンの原因にもなります。

紫外線予防はどのようにしたらよいか

下記対策を行うことで、効果的に紫外線を防ぐことができます。
紫外線の強い時間帯(10~16時)を避ける。
日陰を利用する。
日傘を使う、帽子をかぶる。
衣服で覆う。
サングラスをかける。
日焼け止めを上手に使う。

日陰や日傘、帽子を使用するなど、直射日光を遮ることは効果的です。
しかし、気を付けておきたいのが、直射日光が当たっていなくともまったく紫外線を浴びていないわけではないということです。空気中で散乱したものや、地面や建物から反射した紫外線までは防ぐことができません。なので、日焼け止めを上手に使うことが大切なのです。

日焼け止めの効果表示

日焼け止めには液状、クリーム、シート状などさまざまなタイプのものがあります。
合った UV-Aを防ぐ指標であるPA(Protection grade of UV-A)とUV-Bを防ぐ指標であるSPF(Sun Protection Factor)があります。
PAは、紫外線照射直後からメラニンの酸化で起こる即時型黒化(UVAの照射によって短時間に現れる皮ふの黒化現象)を防ぐ効果の程度を指標としています。+から++++の4段階評価に分けられています。
SPFは、UVB照射により翌日生じる赤みを指標にして検出します。
例えば、20分日光に当たり翌日赤みが出る人が、SPF30の製品をつけた場合、20×30=600分=10時間、日光に当たって翌日赤みがでるということになります。SPFが50以上だとあまり差異がないためSPF50+と表示されます。
最も気をつけていただきたいのが、塗る量です。
顔なら液状タイプを1円硬貨の大きさで2度塗りします。また、2、3時間おきに塗り直し(重ね塗り)することをおすすめします。

日焼け後のケア

まず濡れタオルや冷水で火照りを鎮めます。
次に痒み、痛み、炎症を抑えるために、非ステロイド性消炎鎮痛剤が配合された軟膏や、炎症を抑える効果のあるアロエが配合されたケア商品を塗るのも良いでしょう。
日焼け後の肌は細胞が傷つき、水分が保持できなくなるため、肌がカサカサになってしまいます。そのため、化粧水、乳液などで水分を補給し、蒸発を防ぐことも大切です。

日光で起こる副作用

薬の副作用で、日光照射が引き金となり起こる光線過敏症があります。
日光にさらされた皮膚に赤み、炎症、痒みを伴う発疹ができるのが特徴です。免疫系が関わる反応で、日光アレルギーとも呼ばれます。
特に、頻度の高いものとしてケトプロフェンという消炎鎮痛剤成分の入った、貼り薬や塗り薬があります。貼付した部位だけに症状が発現するのが特徴ですので、ケトプロフェンの入った貼付剤を使用している部位が、直接日光にさらされないようにする必要があります。
また、日光に当たることが事前にわかっているのであれば、医療機関で相談してみてください。ケトプロフェンと同じタイプの働きをするお薬でロキソプロフェンという成分に変更するという方法もあります。
光線過敏症の原因となるのは、外用薬だけでなく内服薬でもあります。抗生物質や降圧剤、血糖降下薬などでも発症することがあるので注意をしましょう。

新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html

執筆者

治験コンシェル
治験バンクコラムの企画・執筆・編集をしています。マーケティング、SEO対策、デザインに強みを持ったメンバーが、最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。