2024年3月23日

秋の花粉症について

治験コンシェル

秋の花粉症について

花粉症は一年中?

風邪の時とは違う、水のような鼻水が止めどなく出てくる。 鼻づまりが起こって、息をするのが苦しい。 立て続けにくしゃみが出る。 いつも眠くてしかたがない。 花粉症とは、体内に入ってきたさまざまな植物の花粉を取り除こうとして、人の体が起こす免疫反応(抗原抗体反応)です。一般的に免疫反応は、体にとって良い反応ですが、時には過剰になって生活に支障が出てしまうことがあります。 鼻粘膜が腫れて鼻からのどへの通り道が狭くなる「鼻づまり」 鼻の粘膜についた花粉を取り除こうとしておこる「くしゃみ」 アレルギー性鼻炎によって出てくる透明な、水のような「鼻水」 この3つは、花粉症患者のほとんどに現れる症状(アレルギー反応)です。ほかにも、目がかゆくなる人や、時には酸素不足から来る眠気に悩まされる人もいます。 眠気が起こるのは。花粉症で鼻づまりになると、自然と口呼吸をするようになり、口呼吸をすると、取り込める酸素の量が減るだけでなく、のどが乾燥して花粉がつきやすくなり、炎症がひどくなります。すると空気を取り込む量がさらに少なくなって脳が酸素不足を起こし、眠気を感じるようになる・・・悪循環です。

秋のスギ花粉症が増えている

花粉症といえば、スギ花粉が飛散する3月から4月が発症のピークでしたが、 最近では、ほぼ一年中「花粉症患者」がいます。これまで認識されていなかったスギ花粉以外のアレルゲンが分かってきたことや、生活環境の変化、日本人の免疫力の低下などが、患者増加の原因であると見られています。 日本における花粉症の患者数は、正確なところはわかっていませんが、誰もが「増加している」と認める病気です。 全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギー全国疫学調査(2020年)で分かったのが、1998年、2008年と比較してアレルギー性鼻炎全体の有病率が約10%増加していること。中でもスギ花粉症単独の有病率は2008年に比して12.3%増加していました。 これらの調査から見えてきたのが、秋にもスギ花粉症が発症するということです。 通常スギの雄花は、6月から10月にかけて形成され、11月上旬に花粉が熟成し雄花は休眠に入ります。そして冬の低温によってスギ雄花は休眠から徐々に目を覚まし花粉を飛ばす準備を開始します。 しかし、秋の気温が異常に高かった場合、狂い咲きと呼ばれる季節外れの開花現象が生じることがあります。また、スギの花粉が大量に作られている場合、休眠中であってもあふれ出て飛散することがあります。それが秋のスギ花粉症の原因です。

花粉症のメカニズム

スギ花粉などのアレルゲンが鼻に入ると、直後にくしゃみと鼻汁が出て、花粉を体外に排出しようとします。目に花粉が入ると目がかゆくなり涙が流れて同じく花粉を排出しようとします。 この作用で排出されずに残った花粉が鼻の粘膜に付着し体内に入ると、侵入した花粉を異物と認識して体内に抗体が作られ、マスト細胞という細胞に結合します。 その後再びアレルゲンが侵入すると、マスト細胞からアレルギー誘発物質が放出され、鼻水等のアレルギー反応が引き起こされます アレルギー反応が活性化した結果放出されたヒスタミンが、鼻粘膜やのど粘膜表面の神経、結膜表面などを刺激して、かゆみ、痛み、渇き、違和感など花粉症の症状を引き起こしたり、症状を悪化させたりするのです。

治療法は?

花粉症は、他の病気と同じく、早期発見早期治療が大切だとされています。花粉症の症状が起こりはじめたごく初期では、鼻粘膜にまだ炎症が進んでおらず、この時期に治療を開始すると粘膜の炎症の進行を止めて、早く正常化させることができるからです。 花粉症の治療には、医療機関で行う薬物療法、手術治療、減感作療法があります。中でも減感作療法は、唯一花粉症を根治する可能性があると言われています。さらに、治療と平行して重要なのが、自らが花粉から身を守るセルフケア(外出時にはメガネ、マスクをして、花粉を体内に入れないようにする)をしっかりと行うことだとされています。

花粉症における対症療法

内服薬による全身療法 点眼、点鼻薬になどによる局所療法 鼻粘膜への手術療法(レーザー治療、ソムノプラスティ)

花粉症の根治療法

減感作療法(抗原特異的免疫療法)唯一の根治療法と言われています。 新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html

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治験コンシェル
治験バンクコラムの企画・執筆・編集をしています。マーケティング、SEO対策、デザインに強みを持ったメンバーが、最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。