2023年12月06日

急性膵炎(きゅうせいすいえん)について

治験コンシェル

急性膵炎(きゅうせいすいえん)について

急性膵炎とは?

上腹部に突然、「のたうち回るほど」の強い痛みが。 背中の痛みが徐々に強くなり、数日後には我慢できないほどになった。 嘔吐、発熱、悪寒、食欲不振、腹部膨満感などが続く。 激しく吐いても腹痛が治まらない。 大量のお酒や脂肪分の多い食事を摂取した数時間後に症状が出ることが多い急性膵炎。最も多い症状は、上腹部の痛みですが、膵臓(すいぞう)が胃の裏側にあるため、背中に痛みが広がることもあります。 急性膵炎とは、本来は食べ物の消化を助けるためにつくられる酵素が、過剰に分泌されたり、膵管をスムーズに通れなかったりして膵臓内にとどこおり、異常に活性化して膵臓そのものを消化(自己消化)し、炎症を起こしてしまう病気です。 自己消化が急速に進み状態が悪化すると、炎症が膵臓だけでなく心臓、肺、肝臓、腎臓などの主要臓器にまで及び、多臓器不全を起こしたり、壊死した部位が感染症を合併したり、また意識障害やショック状態となって死に至ることも珍しくありません。

その原因は?

急性膵炎の2大原因は、アルコールの大量摂取と胆石。原因不明が2割を占め、ほかには脂質異常症(高脂血症)、薬の副作用、事故による膵臓の損傷などによって発症することがあります。 アルコール性は男性に、胆石による急性膵炎は女性に多く、高齢者では男女ともに胆石が主な原因になっています。 アルコール性の急性膵炎では、大量のアルコールによる膵臓への直接的刺激のほか、膵液の分泌過剰、膵管の狭窄(狭くなる)など、さまざまな要素が考えられます。 胆石が原因の急性膵炎は、胆管と膵管が、それぞれ十二指腸へとつながる出口部分で合流しているために起こります。胆嚢で作られ総胆管を通って降りてきた胆石が出口に詰まることで膵液の流れがとどこおり、急性膵炎を発症するのです。

治療は?予防は?

直ちに入院して重症度を診断し、ステージにあった治療を行います。 基本的な治療は、絶飲食による膵臓の安静と、十分な量の点滴です。腹痛に対しては、鎮痛剤を使用し、膵酵素の活性を抑える目的で蛋白分解酵素阻害薬を使うこともあります。 膵臓にむくみが見られる程度の軽症・中等症なら、基本的な治療によって数日~2週間で退院できます。ただし、発症後3日までは重症化する可能性があるため、全身状態が悪化しないか注意深く観察する必要があります。 重症の膵炎においては、膵臓や膵臓周囲の組織が壊死化し、感染が生じることがあります。感染した壊死組織は、壊死部位を除去するネクロセクトミー(器具を使って壊死組織を掻き出し治療すること)が必要です。近年では、内視鏡的治療が進化しており、ほとんどが内視鏡的ネクロセクトミーを実施しています。

急性膵炎を予防するには

大量のアルコールや脂肪分の多い食べ物は、消化酵素の過剰な分泌を促し、膵管内の圧力を上昇させて急性膵炎を発症させることがあります。 また、中性脂肪値が高い人は、急性膵炎のリスクが高いことが分かっています。そのため、脂っこい食べ物や暴飲暴食を控え、バランスの良い食事を心がけることが予防につながります。 日常的に大量のアルコールを飲んでいる人は酒量を抑えることが一番の予防法です。ただ、ふだんあまり飲まない人でも、急に大量のお酒を飲むと発症することがあるため注意が必要です。 新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html

執筆者

治験コンシェル
治験バンクコラムの企画・執筆・編集をしています。マーケティング、SEO対策、デザインに強みを持ったメンバーが、最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。