2023年11月22日

更年期障害について

治験コンシェル

更年期障害について

更年期障害とは

おもに自律神経の乱れから起こるとされる動悸や息切れ、のぼせ、ほてり、異常な発汗のほか、肩こり、頭痛や腰痛、手足のしびれ、イライラ、めまい、耳鳴り、不眠、食欲不振など、人それぞれで、実にさまざまな症状が現れます。 また、皮膚や粘膜の乾燥、ドライマウス、尿失禁、外陰部のかゆみなどが生じる人もいます。 統計的に日本人によく見られるのが、肩こり、疲れやすさ、頭痛や腰痛、のぼせです。 女性には、一生の間に、月経を迎える思春期、妊娠・出産が可能な性成熟期、出産を終えて月経が終わる更年期、閉経後の高齢期という4つのライフステージがあり、更年期は閉経前後の45〜55歳頃の約10年間をいいます(人によって差はあります)。 更年期におこるさまざまな不調を更年期症状と言い、程度の差はあっても誰にでも起こります。中でも、仕事や家庭生活に支障が出るほど重い症状を「更年期障害」と呼んでいます。

その原因は?

更年期障害は、閉経にともなって卵巣の働きが衰え、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が急激に減少することでおこります。 エストロゲンとは、月経や妊娠といった女性機能のほか、乳房や性器の成長、肌や髪を艶やかにするなど女性特有の体作りをサポートするホルモンで、分泌が減ると今までエストロゲンによって調節されてきたさまざまな機能が急激に低下してしまいます。 また、エストロゲンが減少すると、脳がもっと女性ホルモンを出すよう卵巣に指令を送り続けるものの、卵巣の機能の低下でホルモンを出すことができないという状態になり、ホルモンバランスの乱れが生じて自律神経まで乱れてしまいます。 この時期は、年齢的にも働き盛りであったり、子育てや親の介護があったりと不安要素やストレスが重なるため、身体の変化とともに精神的な要素も加わって、更年期の症状が重くなる人が出てきます。

治療法は?

薬物療法

1)ホルモン補充療法

卵巣機能の低下のために不足するエストロゲンを、薬で補う治療法です。のぼせ、発汗、ホットフラッシュなど血管の拡張と放熱に関係する症状の改善に有効です。エストロゲン製剤の単独療法や、黄体ホルモン(プロゲスチン)製剤の併用があります。

2)漢方療法

多種多様な生薬の組み合わせで作られている漢方薬には、心身のバランスの乱れを整え、さまざまな症状を改善させる働きがあります。更年期障害は原因や症状が多様であり、いろいろな要因が複合しておこります。症状の緩和を目的としていくつかの漢方薬が用いられます

3)その他の薬物療法

気分の落ち込み、意欲の低下、イライラや情緒不安定、不眠などの精神症状が強い場合は、症状に応じて抗うつ薬、向精神薬などが用いられます。

カウンセリングなどの心理療法

多くの場合、加齢にともなう身体や機能の衰え、精神・心理的な要因、家庭や職場・地域などの社会的要因が複合的に影響することで症状があらわれます。このため、適切な薬物療法とともにカウンセリングや心理療法が症状の改善に役立つ場合があります。

食事・運動療法

野菜・果物から必要な量のビタミン類をとる、また、大豆イソフラボンの含まれた食品を積極的にとるなど、バランスの良い食事を心がけ、さらに定期的な運動を取り入れると良いでしょう。運動は、ストレス解消に効果的であり、気持ちを前向きにする効果があります。 新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html

執筆者

治験コンシェル
治験バンクコラムの企画・執筆・編集をしています。マーケティング、SEO対策、デザインに強みを持ったメンバーが、最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。