広島では治験ボランティアが不足しています
治験とは
新しいくすり(くすり候補)が、国(厚生労働省)から承認を受けるためには、健康な人や患者さんの協力によってくすりの安全性や有効性などを試験する必要があります。この、最終的に「人」で行う臨床試験のことを「治験」といい、治験に参加する人を治験ボランティアと呼んでいます。
治験には3段階があります
第Ⅰ相試験
少数の健康な成人を対象に、安全性や有効服用量を調べる
第Ⅱ相試験
少数の患者さんを対象に効果や副作用、長期間使い続けていけるかなどを調べる
第Ⅲ相試験
たくさんの患者さんを対象に効果や安全性を最終的に確認する
このように3段階あり、それぞれの段階で「人(治験ボランティア)」の参加が必要となります。
治験には協力費が出ます
治験ボランティアは、本来報酬はないのですが、治験参加中の時間的拘束や日常生活での制限、交通費などの負担を軽減するために、協力費という名目でかなり高額の「負担軽減費」が支払われます。そのため、結果的には有償ボランティアということになります。
通院タイプの治験
所要時間4〜5時間程度。協力金(負担軽減費)は7,000円〜10,000円
通院タイプなら、いつもの生活パターンを変えることなく、気軽に参加できます。
入院タイプの治験
病院に入院し、きちんと時間管理された生活を送りながら検査をします。協力金(負担軽減費)は、1泊10,000〜20,000円
自宅から週1回、月1回という間隔で通う程度なら参加してもいいという人は「通院治験」を。比較的自由時間がある人、有給や試験休み、春・夏・冬の長期休暇を利用できる人は「入院治験」に参加して、ぜひ新薬の誕生にご協力ください。
※治験についての詳細は厚生労働省のホームページに紹介されています。
治験とはでご確認ください。
広島で治験ボランティアをするなら!実施施設・病院のご案内
治験実施施設・病院の住所、ホームページURLをご参考に、お問い合わせください。
<おことわり>
ここにご紹介した施設・病院以外でも「治験」は実施されています。全てをご紹介できていないことをご了承ください。
治験実施施設・病院
国立病院機構 呉医療センター ・中国がんセンター
施設紹介
歴史は長く、明治22年に呉海軍病院として創設。現在は付属看護学校も併設する、国立病院機構(140病院)の中の、大規模病院(12病院)の一つです。
救急医療、母子医療、新生児治療室(NICU)、がん治療、災害医療チームの派遣で地域に信頼されています。
平成13年に治験管理室を設置しており、科学性、倫理性及び信頼性の高いデータを確保しています。
広島県呉市青山町3-1
治験管理室
https://kure.hosp.go.jp/department/clinical_trial/
実施中の治験
https://kure.hosp.go.jp/department/clinical_trial/#anc05
詳細は、担当診療科もしくは治験管理室に問い合わせてください
国立病院機構 福山医療センター
施設紹介
福山・府中地区の2次医療圏のなかの基幹病院です。
医療圏は拡大備後医療圏として福山・府中・尾道・三原の広島県域と井原・笠岡の隣接の岡山県西部も含む、約80万人が対象。地域に根ざした医療に取り組んでいます。
治験管理室では、小児科、内科・消化器内科(特に潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患)、循環器内科、呼吸器内科、外科など全科にわたり難易度の高い治験を実施しています。
広島県福山市沖野上町4-14-17
治験管理室
https://fukuyama.hosp.go.jp/section/bumon07.html
募集中の治験
https://fukuyama.hosp.go.jp/outpatient/bumon07-1.html
問い合わせは、担当診療科または治験管理室まで
広島西医療センター
施設紹介
山口県との県境に位置し、広島西2次医療圏の中核病院としての役割を担っています。
地域医療支援病院、災害拠点病院、救急告示病院、へき地医療拠点病院、難病医療拠点病院などの機関指定を受けており、地域社会に必要とされる医療の提供を続けています。
広島県大竹市玖波4-1-1
治験管理室
https://hiroshimanishi.hosp.go.jp/about/chiken-index.html
実施中の治験
https://hiroshimanishi.hosp.go.jp/about/patient_06.html
治験参加にあたって
https://hiroshimanishi.hosp.go.jp/about/patient_05.html
東広島医療センター
施設紹介
昭和14年に傷痍軍人広島療養所としてスタート。平成27年4月1日より独立行政法人(非公務員型)となりました。
政策医療であるがん、循環器病、呼吸器疾患、内分泌・代謝性疾患の専門医療施設として位置づけられており、専門的な医療の提供はもちろんのこと、ナショナルセンター等との連携の下に臨床研究、教育研修、情報発信を積極的に行っています。
治験管理室は、治験におけるサポートのほか、市販後調査等の受託研究事務も行っています。
広島県東広島市西条町寺家513
治験管理室
https://higashihiroshima.hosp.go.jp/about/syoukai.html
募集中の治験
https://higashihiroshima.hosp.go.jp/about/sankabosyu.html
問い合わせは治験管理室まで
広島大学病院
施設紹介
医科と歯科を備えた総合病院で、日本国内でも有数の高度医療技術を持つ医療機関のひとつです。最先端医療の研究・開発を推進し、安全で丁寧な医療を患者さんに提供しています。
広島県内唯一の医育機関でもあり、医療安全、医療倫理、研究倫理の確立のため、医学教育の質の改善強化につとめています。
広島臨床研究開発支援センターでは、質の高い医療技術と充実した研究施設で、治験や臨床研究に対応。医療のさらなる発展に貢献しています。
広島県広島市南区霞1-2-3
広島臨床研究開発支援センター
臨床研究(試験)とは
https://cimr.hiroshima-u.ac.jp/general/rinsho-research/index
募集中の治験
https://cimr.hiroshima-u.ac.jp/general/clinical-trial/recruit
治験は患者さんが対象です。健康なボランティアによる治験は現在実施していません
県立広島病院
施設紹介
明治10年(1877年)に開設された“公立広島病院”を起源として、140年あまりの歴史があります。
昭和20年の原爆投下によって施設のすべてが灰塵に帰した中、奇跡的に助かった医療従事者が献身的に救護活動をおこなったことが当時の記録に残されています。
理念に「県民に愛され信頼される病院となること」を掲げ、がん医療、救急医療、脳心臓血管医療、成育医療を柱として、高度急性期の患者さんの医療を中心に展開。県内医療従事者の育成にも力を注いでいます。
広島県広島市南区宇品神田1-5-54
治験支援室
http://www.hph.pref.hiroshima.jp/iryokankei/chiken_sec01.html
医学研究とその倫理性確保に関する取り組み
http://www.hph.pref.hiroshima.jp/about/rinri.html
実施中の治験
http://www.hph.pref.hiroshima.jp/iryokankei/pdf/chiken/chiken_list.pdf
広島赤十字・原爆病院
施設紹介
「常に地域の皆様に信頼され愛される病院であるように」
前身の日本赤十字社広島支部病院は昭和14年設立。昭和20年の原子爆弾投下で甚大な被害を受けるも、極限の状況下で被爆者医療に懸命に取り組みました。
昭和31年に、世界で初の原爆被爆者医療の専門病院である広島原爆病院が敷地内に併設されています。
現在、32の診療科目を標榜。地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、災害拠点病院として医療に努めています。
広島県広島市中区千田町1-9-6
治験センター
https://www.hiroshima-med.jrc.or.jp/section/page28-1.php
実施中の治験
https://www.hiroshima-med.jrc.or.jp/section/page28-1.php
治験・製造販売後臨床試験に興味をお持ちで、治験・製造販売後臨床試験への参加を希望される患者さんは、主治医にご相談ください
公立学校共済組合 中国中央病院
施設紹介
地域医療支援病院として、福山・府中二次医療圏の、主として北部地域の急性期医療を担当。地域の診療所からの依頼はもとより、救急患者・重症患者さんを積極的に引き受けるなど、地域の救急医療に貢献しています。
2010年から、広島県指定がん診療連携拠点病院として5大がんの診療のほか、広島県東部地域では、白血病・リンパ腫・骨髄腫など造血器腫瘍に対する唯一の専門施設として造血幹細胞移植などの最先端の血液診療を行っています。
広島県福山市御幸町大字上岩成148-13
臨床研究・治験管理室
https://www.kouritu-cch.jp/section/clinical-research/trial-management
現在の治験・臨床研究状況
https://www.kouritu-cch.jp/section/clinical-research/patient-family
進行中の治験
https://www.kouritu-cch.jp/wordpress/wp-content/themes/kouritu-cch-pc/pdf/pf-20210604.pdf
国家公務員共済組合連合会 広島記念病院
施設紹介
超高齢化時代における中規模病院の特性を活かすため、消化器疾患に特化。「消化器センター」を設立しました。専門的、効率的そして高度な急性期医療の提供によって、広島における消化器疾患のトップランナーを目指しています。
また、地域の皆さんに寄り添いニーズに応える病院として、社会復帰のためのサポート機能も強化しており、退院後の受け皿となる、かかりつけ医との業務連携や、在宅医療の支援、さらには介護施設・サービス提供などの幅広い分野において機能連携をはかっています。
広島県広島市中区本川町1-4-3
臨床研究センター
https://www.kkrhiroshimakinen-hp.org/shinryouka/rinshou-kenkyu
広島市立広島市民病院
施設紹介
地域がん診療連携病院、総合周産期母子医療センター、地域医療支援病院に指定。
わが国でいち早く北米型の救急外来(ER)を取り入れたほか、心疾患、脳外科、周産期医療、乳腺外科などで大きな役割を担ってきました。
今後も、他の医療機関との連係を密にして難易度の高い高度医療、総合医療の担い手として最善の医療を届けます。
広島県広島市中区基町7-33
治験事務局
https://www.city-hosp.naka.hiroshima.jp/guide/info/clinical_trial.php
健康な方を対象とした治験は実施していません
問い合わせは薬剤部・治験事務局まで
労働者健康安全機構 中国労災病院
施設紹介
当院は、多くの労働災害が発生している疾病や、勤労者の新たな健康問題として社会問題化している疾病について、モデル医療やモデル予防法を研究・開発し、普及にいそしんでいます。
個人の尊厳と権利を尊重し、最新の医学に基づいた高度で安全な専門的医療を推進するとともに、地域の医療機関と連携し、急性期から慢性期までの一貫した医療の実践で、働く人の健康を守り、治療と仕事の両立を支援しています。
広島県呉市広多賀谷1-5-1
治験についてのご案内
https://www.chugokuh.johas.go.jp/support/chiken/
治験とは
https://www.chugokuh.johas.go.jp/support/chiken/patient.html
福山市民病院
施設紹介
福山市民病院は「チーム医療」に取り組んでいます。チーム医療とは、多職種の医療従事者が連携して治療やケアにあたること。異なる職種のスタッフが連携し、それぞれの専門スキルを発揮することで、入院中や外来通院中の患者さんの生活の質(QOL)の維持・向上が実現します。
広島県福山市蔵王町5-23-1
治験についてのご案内
https://www.fc-hosp.jp/soshiki/5/1155.html
治験薬を使うことが適していると医師が判断した患者さんに、治験について直接お知らせします
治験に興味をお持ちの方は、治験管理室CRC(臨床研究コーディネーター)までお問い合わせください
広島市立安佐市民病院
施設紹介
がん診療、整形外科、救急医療を病院機能の3本柱としています。がん診療における内視鏡手術は、大腸、胃がん共に日本のトップクラスの症例数を誇り、また、脊柱に対する顕微鏡手術も全国有数の症例数で、日本国内はもちろん、世界各国から手技研修に医師が交流しています。
救急や公的病院の使命としての災害医療については、東日本大震災、熊本地震、広島県内の大水害時にDMATを先頭に内科・外科を問わず診療チームを派遣し協力しています。
広島市安佐北区可部南2-1-1
治験管理室
https://www.asa-hosp.city.hiroshima.jp/hospital/ethics-committee/
問い合わせ 薬剤部・治験管理室まで
東広島記念病院
施設紹介
当院は経験豊富な内科系のリウマチ・膠原病の専門医師団が診療に当たっている特異な専門病院です。近くの県立身体障害者リハビリテーションセンター(県下最大の整形外科集団)とは人的交流も含め、密接に連携し、補完関係にあります。
リウマチ・膠原病治療は2000年以降、革命的変革をとげ、免疫抑制療法・生物製剤も広がりをみせています。2001年より参加・実施している当院の治験も、リウマチ・膠原病に特化したもので、国に承認され、すでに市販薬となった薬剤が数多くあります。
広島県東広島市西条町吉行2214
治験情報
https://hmh.or.jp/medical/trial/
リウマチ・膠原病に特化した治験を実施
特定医療法人 祥和会 脳神経センター大田記念病院
施設紹介
1976年の開院以来、脳血管疾患の急性期医療を中心とした脳心血管疾患、脳神経疾患、脊椎脊髄疾患、神経難病などに取り組んできました。
急性期脳卒中は年間約1,300人(2020年)という全国でトップクラスの入院診療数で、引き続き脳血管疾患の専門医療とともに危険因子が共通する心血管疾患の診療を推進していきます。
現在、地域包括ケアシステムにおける福山市南部のコア・ホスピタルを目指しており、地域の「かかりつけ医」として訪問看護や通所リハビリ、外来リハビリなど在宅療養を支える仕組みにも力を入れています。
広島県福山市沖野上町3-6-28
治験センター
https://otahp.jp/region/trial_case/
治験に参加希望の方へ
https://otahp.jp/wp-content/themes/otahp/images/pdf/chiken_pamphlet.pdf
問い合わせは福山治験ネットワーク(太田記念病院内)
治験に参加するなら「治験コンシェル」への登録がおすすめ
治験に興味を持たれた方や参加してみようと思われた方に、「治験コンシェル」への会員登録をおすすめします。
治験ボランティア募集案件を個人で各病院に問い合わせるのは、手間も時間もかかります。
「治験コンシェル」なら、会員登録をしてページにログインするだけで、募集中の治験の最新情報が得られます。また、ご自身に合う条件をこまかく設定して検索することができます。
治験コンシェルでは、関東圏や九州を拠点に、日本各地で実施される治験案件を数多く取り扱っており、スムーズなマッチングや応募ができます。
もちろん、登録は一切無料。登録したからといって、必ず治験に参加しなければいけないわけではありません。また治験への参加を強制することも絶対にありません。
広島県で治験ボランティア!ついでに行きたい観光スポット
広島での治験の際に、足を伸ばしてみませんか
☆情報は記事掲載時点のものです。詳細は公式サイトなどで事前に確認することをおすすめします。
広島市立広島市民病院周辺
広島県広島市
原爆ドーム
広島県広島市中区大手町1-10
被爆当時のままの姿で、核兵器の廃絶と世界の恒久平和を訴えつづける
1945年(昭和20年)8月6日8時15分、広島市の上空600mで原子爆弾が炸裂。
吹き抜けレンガ造りの「広島県産業奨励館」は、ほぼ爆心地で被爆し、大破しながらも奇跡的に全壊は免れました。崩れ落ちた外壁や鉄骨がむき出しになった痛々しい姿が見る人の心を打ちます。
被爆による後遺症で亡くなった、椿山ヒロ子さんの日記をきっかけに、日本の広島市に投下された原爆の悲惨さと被爆体験を伝える貴重な建物として、当時の姿を残したまま保存されることになったのが、この「原爆ドーム」です。
原爆の恐ろしさと恒久平和への願いの象徴として、1996年世界遺産に登録されました。
原爆ドームは通常の文化財建造物とは異なり、破壊された建物を破壊されたときの状態で保存していくことに重要な意味がありますが、昨今の耐震性の確保や劣化対策のための措置を施しながら、原型をいかに残した状態で保存できるかが今後の課題だと考えられています。
広島平和記念資料館
広島県広島市中区中島町1-2
平和への祈りとともに戦争被害を世界の人々に伝える
人類史上初めての原子爆弾による被害の実態を世界の人々に伝え、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現を訴えることを目的に、1955年に開館されました。
被爆者の遺品や写真などの被爆資料で、原爆の被害をさまざまな角度から検証。被爆の実態や原爆投下の経緯、その後の広島の歩みなどについて紹介しています。来館者に深く考えさせる展示施設です。
常設展示は、東館3階「導入展示」、本館「被爆の実相」・「ギャラリー」、東館3階「核兵器の危険性」、東館2階「広島の歩み」という順路になっています。
本館では、被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や絵などの資料を展示し、1945年(昭和20年)8月6日に広島で何が起こったのかを伝えています。
東館は、核兵器の危険性や被爆前後の広島の歴史について展示しているほか、被爆者の証言ビデオを視聴できるコーナーもあります。
凄まじい展示ですが、一度は見ておきたい日本の歴史の一面です。
東館は2017年(平成29年)4月に、本館は2019年(平成31年)4月にリニューアルオープンしました。
おりづるタワー
広島県広島市中区大手町1-2-1
広島の町を一望。スパイラル“すべり台”が大人気
世界遺産原爆ドームの東隣に建つ、地上13階、地下2階建ての観光施設、おりづるタワー。
館内にはセミナーやビジネスに使用できる大小会議室があり、1階は広島の名産品を扱うショップや飲食店です。最上階には市内を一望できる屋上展望台“ひろしまの丘”があり、眼下に原爆ドーム、平和記念公園、晴れた日には宮島の弥山(みせん)まで望むことができます。
ビル中の、スパイラルすべり台
子供から大人まで楽しめると人気なのが、展望台から1階まで、景色を眺めつつ散歩気分で上がり下りできる「スパイラルスロープ散歩坂(歩行距離450m)」と「すべり台“くるくるくーる”」。らせん状すべり台は、スパイラルスロープの中央部にあり、全長約70mをくるくる回りながら滑り下りることができます。
専用のスライドシートは無料で貸し出しています。
縮景園
広島県広島市中区上幟町2-11
中国の景勝地「西湖」を模した庭園
広島藩主浅野長晟(あさのながあきら)が元和6(1620)年から別邸の庭として築いた大名庭園です。
中国の世界的な景勝地「西湖」を模してつくられたと伝わる園内は、山川の景、京洛の態、深山の致を庭の中に縮めて表現していることから「縮景園」と名付けられました。園の中央に池を掘って大小10余りの島を浮かべ、周囲に山や渓谷を築き、橋、茶室、四阿(あずまや)などを巧妙に配置し、それをつなぐ園路によって回遊できるようになっています。
池の中央にかけられた跨虹橋(ここうきょう)は、原爆の爆風にも耐えたほど強固なことで有名です。
呉医療センター周辺
広島県呉市
大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)
広島県呉市宝町5-20
10分の1の戦艦大和は圧巻。技術の進歩と平和の大切さを知る
戦艦マニアに特化したミュージアムではなく、歴史家から先端技術エンジニアまで、興味深く観察できる展示物が満載です。
明治新政府が鎮守府に選んだ呉。戦艦「大和」を建造した軍港として、また日本一の海軍工廠の町として栄え、戦後は、世界最大のタンカーを数多く建造してきた「呉の歴史(明治以降)」と造船・製鋼を始めとした各種の「科学技術」、そして平和の大切さを学べる施設になっています。
構内に入るとすぐに出迎えてくれる10分の1スケールで再現した戦艦「大和」の巨大模型は圧巻ですが、ほかにも零式艦上戦闘機六二型(ゼロ戦)などの貴重な実物資料を展示した大型資料展示室や、船を中心とした科学技術の原理をわかりやすく紹介している展示室など見逃せないものばかり。
毎週土日には子どもも楽しめるサイエンスショーや工作教室などを開催しています。
入船山記念館(旧呉鎮守府司令長官官舎ほか)
広島県呉市幸町4-6
呉市の歴史を物語る文化財群
入船山は、かつては八幡宮(現在の亀山神社)があったゆるやかな丘陵地でした。
1886年(明治19年)に旧海軍呉鎮守府が開設され利用されてきましたが、戦後は、進駐米軍や英豪連合国軍の司令長官官舎となり、呉市に引き継がれて一般公開されるまでの80余年もの間、世間から隔絶されていました。
現在では、旧呉鎮守府司令長官官舎(平成10年国重要文化財指定)を中心に、旧海軍工廠塔時計、郷土館、歴史民俗資料館(近世文書館)などが点在する、呉の歴史を一挙にたどれる施設となっています。
旧呉鎮守府(ちんじゅふ)司令長官官舎
1905年(明治38年)の、建築当時の資料が見つかったことを受けて、平成5年から7年にかけて大規模な調査修復が実施され、当時の姿に復原したものです。
この建物は木造平屋建てで、東側の洋館部と西側の和館部からなり、洋館部は外観に英国風のハーフティンバー様式を取り入れ、屋根は天然スレートの魚鱗葺き。玄関ドアの上側と左右にはイギリス製のステンドグラスがはめ込まれています。また洋館部の壁や天井に用いられた、全国的にも珍しい豪奢な金唐紙や調度品も復元され、華やかな当時の趣が蘇りました。
1998年(平成10年)12月、国の重要文化財に指定されています。
旧東郷家住宅離れ
元帥海軍大将・東郷平八郎が、1890年(明治23)から1年7か月間、 呉在任中に住んでいた家の離れ座敷です。木造平屋建て瓦葺きの家で、宮原5丁目の正円寺の山手より、現地に移築・復原されました。1997年(平成9年)5月に国の登録有形文化財に登録されています。
旧呉海軍工廠(こうしょう)塔時計
1921年(大正10年)6月、旧呉海軍工廠造機部屋上に設置され、終戦まで、呉工廠とともにその歴史の時を刻んできました。塔の高さは約10mで、一辺2.4mの立方体。四方に1.5mの文字板があり、電動親子式衝動時計としては、国産で最も古いもののひとつです。
また、1日4回流れるメロディーは、毎年小中学生が作曲したものです。1981年(昭和56年)、呉市有形文化財に指定されました。
マンホールカード配布
全国各地で人気のある「マンホールカード」。
入船山記念館では「竣工時の大和」のカードを配布しています。
このデザインのマンホールは入船山記念館前の美術館通りに全部で8つあります。探しながら散歩してみてはいかがでしょう。
美術館通り
広島県呉市幸町4
マンホールマニアには、ぜったいに外せない通り
ゆるやかな赤レンガ敷きの並木道に、著名な作家による18点の彫刻が点在する美術館通り。「呉市立美術館」の開館にあわせ、美術館へのアプローチとして、1981年(昭和56年)に整備されました。散策や道行く人の心を癒やす場所として親しまれています。
またこの通りは、マンホールマニアにはよく知られており、戦艦大和は4種、大和関連のデザインマンホールは8種あります。
「美術館通り」という名称は、1987年(昭和62年)に市民から広く公募して決定したもので、同年には、「手づくり郷土賞(ふれあいの並木道)」と「日本の道100選」にも選ばれています。
福山医療センター周辺
広島県福山市
福山城(福山城公園)
広島県福山市丸の内1-8
新幹線のホームから、間近に見えるお城
徳川家康のいとこである水野勝成が1619年に築城した福山城は、近世城郭建築円熟期の、最も完成された名城として有名です。
天守閣や国の重要文化財である伏見櫓・筋鉄御門など城部建築があり、城跡は国の史跡として保存されています。
天守閣は1945年の戦災で焼失しましたが、1966年に再建され、現在は福山市の歴史を伝える博物館として歴代藩主の遺品や資料を展示しています。同じく再建された御湯殿と月見櫓は、貸会場として利用されています。
福山城は現在、築城400年の記念として大規模改修中です。2022年8月にはリニューアルも完了し、築城400年の記念イベントがスタートします
福山城博物館
天守閣の内部は、歴代藩主の遺跡や資料のほか、福山を中心とした備後地方の歴史と文化に関する資料を展示する博物館として公開されています。
築城400年記念リニューアルで、博物館館内も新しくなります。高さ3,5m、幅14,5mの大型スクリーンを備えた「福山シアター」で福山城の魅力・歴史や偉人史が学べる、デジタルコンテンツで歴史体験ができる、お城泊ができるなど、魅力的なイベントやコンテンツが用意されています。
バラ公園
広島県福山市花園町1-5
大空襲跡地をバラの花で埋め尽くす
ここは、第二次世界大戦までは大日本帝国陸軍の、歩兵第41連隊の司令部と関連施設があったところ。1945年(昭和20年)の福山大空襲で徹底的に破壊されました。終戦後の1956年、空き地に市民有志が1000本のバラの苗を植えたのがバラ公園の始まりで、今では約280種類、5000本のバラが咲いています。
バラ祭り
バラ公園が作られた1956年5月、福山ばら会主催によってバラ展示会が開催されました。これが今に続く福山ばら祭の起源です。
毎年5月に福山市最大の祭り「福山バラ祭」が開催されていますが、現在の主会場はバラ公園近くの緑町公園になっています。
福山自動車時計博物館
広島県福山市北吉津町3-1-22
クラシックカーと時計の博物館。映画やドラマに貸し出し
地元の企業家で自動車愛好家の能宋孝(のうそうたかし)氏が収集したコレクションを元に1989年(平成元年)に開館しました。
クラシックカーと時計(掛け時計、置き時計など)をメインに、ほかには小型飛行機・パイパーチェロキー、蝋人形などの趣味的な展示物が収蔵されています。一方で、生活の道具であった、商用車やバスなども収蔵していて、特に役目を終えた古典消防車のコレクションは貴重です。
「乗って、見て、触れて、写真も撮れる、体験博物館」がキャッチフレーズで、日本の博物館としては珍しく、展示物の自由撮影や、一部車両は乗り込むこともできます。
保存されている自動車の多くは今も現役で走ることができるため、さまざまな映画に出演しています。博物館の送迎車も、本物の旧型ボンネットバスが使われています。
博物館関係者は自動車の高度な再生技術を備えており、廃車となって放擲されていた古い自動車(乗用車・商用車・バス)に全面レストレーションを施し、ナンバープレートを取得できる可動状態に復帰させています。
新しい薬を誕生させるために行われる「
治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html