2023年10月01日

治験募集のほとんどが男性対象の理由

治験コンシェル

東京都民が【治験】に参加するなら!?

高額収入が魅力の治験。女子が試みるも

新型コロナによる世界的な不安と混乱の中、「治験」という言葉が身近になり、さらには「治験に参加すると高額の協力金(負担軽減費)がもらえる」ということを多くの人が知るところとなりました。 治験が、単なる稼げるバイトというだけではなく、社会貢献という意味のある活動でもあることから、人気は上昇の一途です。 こうした中、治験の募集サイトを見た女性たちから「女性モニターの募集」が男性に比べて少ないのではないか?という疑問の声が出てくるようになりました。とくに第1相試験は、負担軽減費も高く魅力的であるにもかかわらず女性の募集案件がかなり少ないような・・・。 そうなんです、女性の募集は実際少ないのです。 一番の理由は、女性には月経があり、ホルモンバランスが崩れやすいことから、正確なデータ収集が難しいということにあります。 さらに、第1相試験において女性の募集が少ないのは、厚生労働省の治験のガイドライン「新医薬品の臨床評価に関する一般指針」に示されている文章を、治験を実施する製薬会社が遵守しているためだと考えられます。

厚生労働省「新医薬品の臨床評価に関する一般指針」の部分より

第1相試験は原則として男子志願者で行いましょう

第1相試験は治験薬を初めてヒトに適用する試験で、原則として少数の健康男性志願者において、治験薬について臨床安全用量の範囲ないし最大安全量を推定することを目的とし、あわせて吸収・排泄などの薬物動態学的検討を行い、第2相試験に進み得るか否かの判断資料を得るための試験である。 (治験によっては男女両方とも募集している求人もあります)

特別な理由がない限り、健康成人男子志願者が対象です

被験者(治験モニター)については適切な、理学的、生化学的健康診断検査を行い、治験薬の性質と試験内容 (すなわち試験意義、目的、方法、予想される薬効・副作用、随意の参加の撤回及び事故に対する補償など)を十分理解させた上で、試験に対して自発的な意志で参加する旨の同意書を得る必要がある。 このように、ガイドラインに「第1相試験は、基本的に男性モニターに協力してもらう」ということが記載されているのです。

妊婦さんも、治験モニターから除外する

臨床試験の初期(第1相試験)においては妊婦及び、妊娠の可能性がある女性はモニターから除外しなければならない、とされています。これは、母体及び胎児への影響を考えてのことです。 ただし、妊婦さんや妊娠している可能性がある女性に使用される医薬品の治験については、第1相試験から女性モニターで実施しますが、試験の進め方は厚労省のガイドラインを参考にしながら慎重に行うこと、とされています。 一般的には「『胎児などへの悪影響がない』と動物実験によって判明したら、女性の募集をスタートする」という流れがあるため、女性の治験参加は第2相試験から、ということが多いようです。

健康な成人男性が対象の治験のあらまし

健康な男子を募集する「第1相試験」と呼ばれる治験は、何かの病気を治したり、症状を改善したりという内容ではなく「新しいくすりの候補」の安全性を確認すること(薬物動態を確認・検証)が目的で実施されます。 投与したくすりの成分が体の中でどのように巡るか(吸収・分布・代謝・排泄)、体の中の一連の流れを確認し、安全性に問題がないかを最初はごくわずかな量からスタートして検証していきます。 実施は、入院タイプのスケジュールで進みます。 検査内容は、血液検査や尿検査などが主な検査ですが、心電図の測定や各種検査も合わせて行うこともあります。このような治験は、新薬以外にジェネリック医薬品で実施することもあります。 新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html

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治験コンシェル
治験バンクコラムの企画・執筆・編集をしています。マーケティング、SEO対策、デザインに強みを持ったメンバーが、最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。