治験モニターが人気。バイトとして参加する人も
新型コロナウイルス(COVID-19)による自粛要請、緊急事態宣言、ソーシャルディスタンス、時短営業などで、日本人の働き方がずいぶん変わりました。また激変した社会情勢に連動して、パートやアルバイトの募集取りやめや休止、待機が続出。収入を学費や家計の助けにと考えていた思惑が外れ、困窮している人が数え切れないほど出てきています。
こうした中、一躍脚光を浴びているのが「
治験」です。
新型コロナのニュースとともに、ワクチンや新薬を承認するための臨床試験---「治験」というワードが日本中に定着しました。実際には、治験はコロナ以前から常に実施されていたのですが、有償とは言え「ボランティア」という位置づけであるため、あまり声高には語られなかったのが実情です。
そして現在も、パートやアルバイトが縮小する中、治験は数多く実施されており、治験バイトというとらえ方をする人も増えています。治験に参加するモニターには学歴や経験、スキルも問われないところから人気は上々で、とりわけ、簡単な仕事内容で、短期間に高額の収入(負担軽減費)を得られることが大きな魅力となっているようです。
治験参加までの流れ
治験に参加するためには、治験専用のサイトに応募(会員登録・モニター登録)する方法が一般的です。登録したサイトが紹介する治験情報を閲覧・検討し、自身にあった治験に応募します。
治験モニターの、治験参加の流れは以下のようになります。
<モニター登録→治験に応募(申し込み)→予約→試験説明→事前検診→適格者のみ治験に参加→負担軽減費(協力費)の支払い>
治験モニター登録から治験参加・開始までの詳細は「
治験参加の手順」をご覧ください。
参加モニターの条件とは
治験モニターとしてサイトに登録したあと、条件や日程、日数、実施地域など、自分に合う治験を探して応募します。
治験の内容(くすり候補)によって身長や体重、性別、年齢など、それぞれ提示される条件は異なります。また3段階ある治験のステージによって、健康な成人が求められたり、反対に患者であることが条件だったりします。
治験モニター適格者とは、基本的には、健康であることでしょう。治験に参加しようと考えているなら、ふだんから食事や生活習慣に気を配って、元気でいることが一番です。
治験モニターとして採用されるためのコツ
治験は常時実施されています。割の良い治験バイトに確実に採用されるために、ちょっとしたコツを押さえておくといいでしょう。
治験の前には必ず事前検診が行われます。指定の医療機関で健康状態を検査し、問題がなければ治験開始です。そもそも、事前検診に受からなければ、治験バイトはできません。以下に、事前検診に受かるためのコツをご紹介します。
事前検診の内容は、主に血液検査、尿検査、身体測定、問診などです。
事前検診では、とくに血液検査の結果が重視されているため、食事内容をコントロールしておくと安心です。
事前検診の遅くとも1週間ほど前から、糖質の多い炭水化物(ごはん、麺類)や塩分の多いラーメン、脂肪部分の多い肉料理、油分たっぷりの揚げ物などは控えるようにします。野菜をたくさん食べる、ヨーグルトを常食する、薄味の和食を摂る、などを心がけるといいでしょう。
また事前検診前日に関しては「○○時以降は絶食、水分のみを摂取」と言われることが多いようです。
この場合、清涼飲料水や炭酸飲料、レモン水、○○紅茶といったものは飲まないよう注意しましょう。こうした飲料には糖質(砂糖、果糖など)が多く含まれているため、尿検査の結果に影響が出ることも。必ず水か麦茶などにしましょう。
参加する治験によっていろいろと条件は異なりますが、ちょっとした心がけ次第でたいていの事前検診はクリアできます。
治験モニターは、高額の負担軽減費を得られるとともに、新薬の開発を支えるボランティアとして社会貢献ができます。また、自身の健康を意識するよい機会にもなります。とはいえ、試験説明会で話を聞いたら、絶対に参加しなくてはいけないということではありません。疑問点は担当者に相談をし、しっかりと考え、メリットやデメリット部分を理解したうえで参加することをおすすめします。
新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html