副作用?全くないとは言えないが
くすりには、病気に応じたさまざまな効果がある反面、好ましくない作用(副作用)が生じることもあります。
治験と聞いて参加をためらってしまう原因の一つは、未知のくすりを使うことによる「副作用」「健康への影響」・・つまり不安感でしょう。
厚生労働省は、治験は「科学的な方法で」、「参加する人の人権を最優先にして」行うよう定めています。治験の実施も、国(厚生労働省)が定めた「医薬品の臨床試験の実施基準(GCP)」という厳格な規則にもとづき、定められた要件を満たしている製薬会社と病院だけが行います。
治験のくすり候補は、長年、基礎研究と動物実験を繰り返し、人による臨床試験をはじめ厚労省が定めるさまざまな規定をクリアしているため、副作用の可能性は極めて低いと考えられます。とはいえ、絶対に副作用はない!と断言はできません。
想定される副作用については、事前のインフォームド・コンセントで十分に説明がされます。もし副作用が生じても、専門の医師が待機しているため、適切な治療を迅速に受けることができます。また、万が一重篤な副作用が起きた場合も、手厚い補償が行われるため、過度な心配はいりません。
十分なインフォームド・コンセントを
インフォームド・コンセントとは「説明と同意」という意味です。
患者さんが、医師などから診療内容などについて十分な「説明」を受け理解したうえで、患者さん自身が「同意」し、最終的な治療方法を選択するということです。
治験の場合は患者さんイコール「治験モニター」ということになります。
あらかじめ想定される副作用「眠気、倦怠感、下痢、便秘、胃の不快感など」については、担当医師によるインフォームド・コンセントによって、事前に参加者に説明があります。治験モニターに応募したら、必ず説明会に出席し、インフォームド・コンセントを行ってください。
治験でのインフォームド・コンセント
<厚労省ホームページより抜粋>
病気の患者さんによる治験の例です。
医師から、治験の目的、方法、治験に参加しない場合の治療法、「くすりの候補」の特徴(予測される効果と副作用)などが書かれた「説明文書」を手渡され、その内容がくわしく説明されます。
患者さんは、わからないこと、確認したいことなど、納得いくまでどんなことでも質問することができます。
治験に参加するかしないかは自分の意思で決めます。説明を受けたその場で決めず、説明文書を持ち帰って家族に相談してから決めることもできます。
参加することに同意した場合、「同意文書」に患者さんと治験を担当する医師が自筆で署名します。
同意書の控えと説明文書は患者さんに渡されます。
健康な人が治験モニターになった場合でも、インフォームド・コンセントは必ず実施されます。
説明文書に書かれていることは
治験の目的、治験薬の使用方法、検査内容、参加する期間、期待される効果と予想される副作用について。
治験への参加はいつでもやめることができ、不参加の場合でも不利益は受けないこと。
さらには、副作用が起きて被害を受けた場合、補償を請求できることや、カルテ、検査結果などの医療記録を、治験を依頼した製薬会社、厚生労働省、治験審査委員会の担当者が見ることなどが書かれてあります。
副作用と副反応の違い
副反応(ふくはんのう)とは、ワクチンの接種に伴う、免疫の付与以外の反応のことです。ワクチンの場合、投与に伴う免疫付与以外の反応も、外来物質の化学的作用ではなく免疫学的メカニズムによって起こるものが多く、そのため、一般的な治療薬における副作用とは区別しています。
新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html