治験に参加する方へ
いまだ収束のめどが立たない新型コロナウイルス感染症。
世界各国でワクチンの開発が進められ、一部、治験が終わり、接種にこぎつけたものもありますが、もっと効果のあるもの、さらに免疫力が持続するものを求めて、研究開発は日夜続けられています。
日本でも新型コロナ感染症のワクチン開発、治療薬の開発に拍車がかかり、1日も早く「くすり」として認められるよう、治験が実施されています。
治験のながれ
申し込み→予約→試験説明→事前検診→適格者のみ治験に参加→負担軽減費(協力費)の支払い
試験説明会には必ず出席しましょう。
医療施設における説明会では、「治験の説明書」を文書で詳細に説明します。治験モニターはここで不安な点、不明な部分をなっとくがいくまで質問・相談し、その後同意書に署名をします。この「説明と同意」のことをインフォームド・コンセントといいます。
治験への参加は自由な意思によるもので、強制ではありません。同意した後であっても体調不安やなんらかの事情などによって参加を撤回することはできます。
治験モニターには2種類あります
治験モニターには通院・入院の2つのタイプがあります。どちらも基本的にはくすりの候補を使って、効果、体調の変化、副作用の有無などを検査します。検査ではほとんどの場合に採血を行いますが、治験の内容によってその頻度は異なります。
通院タイプの治験
通院タイプは、半日程度で日帰りできるものがたくさんありますが、治験の内容によっては、一定期間毎日通院するものや1週間に1回通院、1カ月に数度・・・と、実にさまざまです。
通院タイプの治験の協力費は1回7千円〜1万円程度。入院治験に比べて低くなりますが、自宅から通えるため、生活スタイルを変えることなく気楽に参加できます。
入院タイプの治験
入院タイプは、数日の場合や1カ月近くかかる案件もあり、病院や医療施設に入院して、しっかりとしたスケジュール管理のもとに集団生活を送ります。
くすりの効果や副作用などを検査するためにも規則正しい生活が不可欠で・起床時間・食事時間・就寝時間も厳格に決められています。
こうした生活の中で定期的に検査が行われますが、それ以外は基本的には自由行動。食事代も無料です。
ただし、外出・喫煙・飲酒は制限されます。場合によってはスマートフォンの使用時間に制限があったりします。
こうした制限に従って長期間入院する治験では、通院に比べて協力費も多く支払われます。およその相場が1泊1〜2万円。1カ月入院した場合は30〜60万円の協力費が支払われます。これが、
治験が「高額バイト」と称される理由でしょう。
治験終了後には協力費(負担軽減費)が支払われます。
通院タイプでは即日手渡しがほとんどですが、入院タイプなら振り込みもあるため、事前に確認しておきましょう。
新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html