2023年8月18日

腹圧性尿失禁について

治験コンシェル

腹圧性尿失禁について

「腹圧性尿失禁」って何?

腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)という言葉を聞くと、初めての方は「一体何だろう?」と不安になるかもしれません。
尿失禁とは、自分の意志とは関係なく尿が漏れてしまう状態を指します。
腹圧性尿失禁は、その中でも特にお腹に力が入ったとき、つまり「くしゃみをしたとき」「笑ったとき」「重いものを持ち上げたとき」などに、尿が漏れてしまうタイプです。

突然の出来事に驚き、不安を感じる方も多いでしょう。
腹圧性尿失禁は年齢や性別にかかわらず誰にでも起こる可能性がある症状ですが、特に女性に多いことが知られています。
これは、妊娠や出産によって骨盤底筋が弱くなることが主な原因だからです。
骨盤底筋は、膀胱や尿道を支える重要な筋肉で、この筋肉が弱くなると腹圧がかかるたびに尿道が開いてしまい、尿が漏れてしまうのです。

どうして起こるの?腹圧性尿失禁の原因

腹圧性尿失禁の原因は、主に以下のような生活や体の変化に関連しています。

出産

出産は、腹圧性尿失禁の大きな原因の一つです。
自然分娩の場合、骨盤底筋が赤ちゃんを出すために大きく伸ばされ、ダメージを受けやすくなります。
特に複数回の出産を経験した女性は、このリスクが高まることが知られています。
出産後に尿漏れを感じる女性も多く、これは決して珍しいことではありません。

加齢

年齢を重ねることで、筋肉全体が弱くなるのは自然なことです。骨盤底筋も例外ではありません。
特に女性の場合、更年期を迎えるとエストロゲンというホルモンの分泌が減少し、筋肉や組織が衰えやすくなります。
そのため、高齢になるほど腹圧性尿失禁のリスクが高まります。

肥満

体重が増えると、その分だけ骨盤底筋にかかる負担も増えます。
肥満の人は、特に日常的に腹圧がかかりやすいため、尿失禁が起こりやすくなります。
減量をすることで、腹圧性尿失禁の症状が改善することもあるため、適切な体重管理が重要です。

その他の要因

慢性的な咳や便秘、重い荷物を頻繁に持ち上げる職業、運動なども腹圧を高め、尿失禁の原因となることがあります。
また、腹部の手術を受けた場合にも骨盤底筋が弱くなる可能性があります。

もしかして私も?気になる症状と確認方法

腹圧性尿失禁の症状は、日常生活の中で気づかれることが多いです。
「笑ったりくしゃみをしたときに少し尿が漏れる」「重い物を持ち上げた瞬間に尿漏れが起こる」というような場合、腹圧性尿失禁の可能性があります。

具体的な症状は・・・
・ くしゃみや笑ったときに尿が漏れる
・ 運動中やジャンプをしたときに尿が漏れる
・ 重いものを持ったときに尿が漏れる
・ 咳をしたときに尿が漏れる

自分でも気づかないうちに、尿漏れの頻度が増えている場合もあります。
そのような場合、セルフチェックが役立つかもしれません。以下の質問に答えてみましょう。

Q : 最近、尿が漏れたことはありますか?
Q : くしゃみや笑うことを避けるようになりましたか?
Q : トイレの頻度が以前より増えましたか?

これらに該当する場合、腹圧性尿失禁の可能性があるため、専門の医師に相談することをおすすめします。

なりやすい人ってどんな人?リスクを知ろう

腹圧性尿失禁は、特定の条件に当てはまる方に起こりやすい症状です。
以下のようなリスク要因を知っておくことで、予防や早期対応がしやすくなります。

年齢

加齢は、腹圧性尿失禁のリスクを大きく高めます。
特に閉経後の女性は、ホルモンバランスの変化により骨盤底筋が弱まりやすくなります。
これは自然な体の変化なので、早めに対策を取ることが大切です。

性別

腹圧性尿失禁は、男性よりも女性に多く見られます。
特に妊娠や出産を経験した女性は、骨盤底筋が骨盤底筋が伸びたり、出産時にダメージを受けたりするためリスクが高くなります。

体重

肥満は、腹圧性尿失禁の大きな要因です。
体重が増えると、骨盤底筋にかかる負担も増加し、筋力の低下やダメージを引き起こす可能性があります。

生活習慣

運動不足や不適切な食生活も、腹圧性尿失禁のリスクを高めます。
特に便秘を引き起こすような食生活は、腹圧を高める原因になるため、注意が必要です。

治療方法はたくさん!自分に合ったケアを見つけよう

腹圧性尿失禁の治療方法はさまざまです。
症状の軽い方から、少し重い方まで、それぞれに合ったケアや治療法が存在します。

骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)

腹圧性尿失禁の治療として最も一般的なのが、骨盤底筋トレーニングです。
これは、尿道や膀胱を支える骨盤底筋を強化するための運動です。
骨盤底筋を鍛えることで、尿道がしっかりと閉まるようになり、尿漏れを防ぐことができます。
毎日少しずつでも続けることで、症状が軽減されることが期待できます。

薬物療法

症状が軽度であれば、薬物療法も有効です。
膀胱や尿道を強化する薬や、ホルモン補充療法を用いることがあります。
特に閉経後の女性に対しては、ホルモン療法が効果的です。
医師と相談し、自分に合った治療法を選びましょう。

手術

症状が重い場合や、他の治療が効果を示さない場合には、手術が検討されることもあります。
腹圧性尿失禁の手術は、骨盤底筋を強化するためのスリング手術や、尿道を支える手術が行われます。
手術は比較的安全ですが、医師とよく相談した上で決めることが重要です。

生活の中でできること:今日から始めるケア

腹圧性尿失禁を抱えている方でも、日常生活で取り入れられるケア方法があります。
これらの方法を実践することで、症状を軽減させたり、進行を防ぐことができます。

適度な運動

定期的に運動することは、骨盤底筋を強化するために非常に重要です。
特に、ウォーキングやヨガなどの軽い運動は、無理なく体を動かすことで筋力を維持・向上させる効果があります。

バランスの取れた食事

便秘は腹圧性尿失禁を悪化させる原因になるため、食物繊維を多く含む食事を心がけましょう。
野菜や果物、全粒穀物などを意識して摂取することで、腸内環境を整え、便秘を予防することができます。

水分補給

水分を控えることで、尿失禁が悪化するのではと不安になる方もいますが、実は逆効果です。
適切な水分摂取を行うことで、尿が濃縮されず、膀胱の負担を軽減できます。

将来に備えて:腹圧性尿失禁を予防するためにできること

腹圧性尿失禁は、日々のケアや生活習慣の改善で予防することが可能です。
以下のポイントを意識して、将来のトラブルを未然に防ぎましょう。

骨盤底筋を鍛える習慣をつける

ケーゲル体操などの骨盤底筋トレーニングを、日常のルーティンに取り入れましょう。
定期的に行うことで、筋力が維持され、将来の尿失禁を予防できます。

体重管理

適切な体重を維持することは、尿失禁予防に非常に有効です。
肥満は骨盤底筋に過度な負担をかけるため、健康的な食事と運動で体重をコントロールすることが大切です。

健康的な食生活

腸内環境を整える食事や、便秘を予防する食物繊維を多く含んだ食事は、腹圧性尿失禁の予防につながります。

どんな時に病院に行くべき?不安になったら相談を

尿失禁は多くの方が抱える問題ですが、一人で悩まず、専門家に相談することが大切です。
症状が悪化したり、日常生活に支障が出るようであれば、早めに医師の診察を受けましょう。

まとめ:腹圧性尿失禁とうまく付き合うために

腹圧性尿失禁は、特に女性に多い症状で、出産や加齢、生活習慣などが原因で引き起こされることがよくあります。
しかし、この症状は恥ずかしいものではなく、誰でも経験しうるものです。
重要なのは、正しい知識を持ち、早めに対策を取ることです。

骨盤底筋を鍛えるケーゲル体操や適度な運動、バランスの取れた食事など、日常生活の中で取り組めるケアはたくさんあります。
もしも症状が進行したり不安を感じる場合には、医師に相談して適切な治療法を見つけることが大切です。

腹圧性尿失禁は、適切な対応をすることで改善する可能性が高い症状です。
この記事で紹介した対策を参考に、前向きにケアを続けていくことが、快適な生活への第一歩です。あなた自身の健康を守るために、今からでもできるケアを始めてみましょう。


新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html

執筆者

治験コンシェル
治験バンクコラムの企画・執筆・編集をしています。マーケティング、SEO対策、デザインに強みを持ったメンバーが、最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。