2023年12月12日

高尿酸血症(痛風)について

治験コンシェル

高尿酸血症(痛風)について

高尿酸血症(痛風)ってなに?

病気の基本を知ろう

高尿酸血症とは、血液中の尿酸濃度が高くなる状態のことを指します。
尿酸は、体内でプリン体という物質が分解される際に生じる老廃物です。通常、尿酸は血液中から腎臓を通して尿として排出されますが、尿酸の生成が多すぎる、または排泄がうまくいかないと血液中に尿酸がたまり、高尿酸血症となります。
この状態が進行すると、尿酸が関節に結晶化して痛みを引き起こす痛風になることがあります。

痛風と高尿酸血症の関係

痛風は、高尿酸血症が原因で関節に尿酸結晶が蓄積し、急激な炎症と痛みを引き起こす病気です。
典型的な症状としては、足の親指の付け根が赤く腫れ、激しい痛みを伴うことが多いです。
この痛みはしばしば夜間に発生し、数日から数週間続くことがあります。
痛風発作を繰り返すことで、関節の損傷や変形を引き起こす可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。

どうして高尿酸血症(痛風)になるの?

尿酸がたまる仕組み

尿酸は、プリン体という物質が分解される際に生じます。
プリン体は、食品や飲み物に含まれる他、体内でも生成されます。
高尿酸血症の原因は主に二つあります。
第一に、尿酸の生成が過剰になること、第二に、尿酸の排泄がうまくいかないことです。
遺伝的要因、肥満、飲酒、高プリン食の摂取、ストレスなどが尿酸値を上昇させる要因とされています。

食べ物や飲み物の影響

特にプリン体を多く含む食品や飲み物は、尿酸値を上げる原因となります。
例えば、肉類(特に内臓肉)、シーフード、ビール、甘味飲料などが挙げられます。
一方、野菜や果物、乳製品、コーヒーなどは尿酸値に対する影響が少ないか、むしろ尿酸値を下げる効果があるとされています。
また、水分を多く摂ることも尿酸の排泄を促進するために重要です。

どんな症状がでるの?

初めてのサインに気づく

高尿酸血症自体は無症状であることが多いですが、尿酸値が非常に高い状態が続くと痛風発作が起こることがあります。
痛風発作の初期症状としては、特定の関節が突然痛み出すことが多いです。
特に足の親指の付け根が赤く腫れて激痛を伴うことが典型的です。
痛みは夜間に起こることが多く、数日から数週間続くことがあります。

痛風発作の特徴とは?

痛風発作は、急激に発生する関節の激しい痛みと腫れが特徴です。
痛みは数時間から数日間持続し、その後徐々に収まりますが、放置すると再発することが多いです。
痛風発作が繰り返されることで、関節の損傷や変形が進行し、慢性的な関節痛を引き起こすことがあります。
また、重度の痛風の場合は、結節(トーフス)と呼ばれる尿酸の塊が関節や皮膚下に形成されていることがあります。

どうやって診断されるの?

血液検査でわかること

高尿酸血症や痛風の診断には、まず血液検査が行われ、血清尿酸値が測定されます。
一般的に、男性では7.0mg/dL以上、女性では6.0mg/dL以上の尿酸値が高尿酸血症とされます。
ただし、尿酸値が正常範囲内でも痛風発作を起こすことがあるため、総合的な診断が重要です。

画像診断の役割

痛風が疑われる場合、X線や超音波、CTスキャンなどの画像診断が行われることがあります。
これらの画像診断により、関節に尿酸結晶が蓄積しているかどうか、関節の損傷や炎症の程度を確認することができます。
特に、慢性的な痛風や関節の変形が進行している場合は、画像診断が有用です。

どんな治療があるの?

薬で治す方法

高尿酸血症や痛風の治療には、主に薬物療法が用いられます。
痛風発作の急性期には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コルヒチン、ステロイドなどが使用され、炎症と痛みを抑えます。
慢性的な高尿酸血症の管理には、尿酸生成抑制薬(アロプリノール、フェブキソスタット)や尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン、プロベネシド)が用いられます。
これらの薬を継続的に使用することで、尿酸値を正常範囲内に保ち、痛風発作の再発を防ぎます。

生活習慣で改善する方法

薬物療法と並行して、生活習慣の改善も重要です。
食事療法としては、プリン体を多く含む食品(肉類、シーフード、アルコールなど)の摂取を控え、野菜や果物、乳製品を積極的に取り入れることが推奨されます。
また、適度な運動を取り入れることで、体重管理や尿酸排泄の促進に役立ちます。水分を多く摂ることも、尿酸の排泄を助けるために重要です。

毎日の生活で気をつけること

食事の工夫

高尿酸血症の予防と管理には、食事が大きな役割を果たします。
プリン体の摂取を控えるために、以下のような食事の工夫を心がけましょう。

- 肉類(特に内臓肉)やシーフードの摂取を控える
- アルコール(特にビール)を避ける
- 野菜や果物を多く摂る
- 低脂肪乳製品を選ぶ
- 水分をたくさん摂る

運動の取り入れ方

適度な運動は、体重管理や尿酸の排泄を助けるために重要です。
毎日の生活に運動を取り入れるためのポイントは以下の通りです。

- 無理のない範囲での有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど)を続ける
- 筋力トレーニングを取り入れて、筋肉量を維持する
- 週に3〜5回、各回30分以上の運動を目指す
- ストレッチやヨガで柔軟性を高め、関節の負担を軽減する

高尿酸血症(痛風)を予防するには?

リスクを減らすポイント

高尿酸血症や痛風を予防するためには、リスク要因を管理することが重要です。
以下のポイントを押さえて生活習慣を見直しましょう。

- プリン体の多い食品やアルコールの摂取を控える
- 適度な運動を取り入れて体重を管理する
- 水分を多く摂って尿酸の排泄を促す
- ストレスを適切に管理する
- 規則正しい生活リズムを維持する

健康的な生活習慣のヒント

健康的な生活習慣を続けるためのヒントをいくつかご紹介します。

- バランスの取れた食事を心がける
- 一度に大きな変更をするのではなく、少しずつ生活習慣を改善する
- 健康的な習慣を家族や友人と共有して励まし合う
- 定期的に健康診断を受け、尿酸値をチェックする
- 必要に応じて医師や栄養士に相談する

合併症が心配…どうすればいい?

腎臓への影響

高尿酸血症は、腎臓に対しても影響を及ぼすことがあります。
尿酸が腎臓に結晶として蓄積すると、腎臓結石や腎機能の低下を引き起こす可能性があります。
腎臓結石は、激しい痛みや血尿、感染症を引き起こすことがあり、重症化すると腎不全に至ることもあります。

心臓病のリスク

高尿酸血症は、心血管疾患のリスク要因ともされています。
高尿酸値は動脈硬化を促進し、心臓病や脳卒中のリスクを高めることがあります。
心血管疾患を予防するためには、尿酸値を管理することに加え、血圧やコレステロール値の管理も重要です。

まとめ

高尿酸血症(痛風)と上手につきあうために

高尿酸血症(痛風)は、生活習慣や食事、ストレス管理などの工夫で予防・管理が可能な病気です。
まずは、尿酸値を定期的にチェックし、適切な治療や生活習慣の改善を続けることが重要です。
また、健康的な生活習慣を維持することで、高尿酸血症だけでなく、他の生活習慣病の予防にもつながります。
専門家のアドバイスを受けながら、自分に合った方法で生活習慣を見直し、健康を守りましょう。

長期的な健康維持のために

高尿酸血症や痛風は、一度治療を開始すればすぐに完治するものではありません。長期的な健康管理が必要です。
継続的に医師の指導を受け、定期的な血液検査を通じて尿酸値を監視し、必要に応じて薬物療法を調整することが重要です。
また、痛風発作の予兆を感じたら、早めに医師に相談し、適切な対処を行うことが再発防止に繋がります。

心の健康も忘れずに

高尿酸血症や痛風の管理には、心の健康も大切です。
病気の管理にストレスを感じることもありますが、リラクゼーションや趣味、友人や家族とのコミュニケーションを通じて、心のバランスを保つことが重要です。
ストレスは尿酸値にも影響を与えるため、ストレス管理も病気の管理の一環として捉えると良いでしょう。

高尿酸血症や痛風と上手につきあうためには、日々の生活習慣の中で小さな工夫を積み重ねることが重要です。
正しい知識を持ち、実践することで、健康で快適な生活を送ることができます。


新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html

執筆者

治験コンシェル
治験バンクコラムの企画・執筆・編集をしています。マーケティング、SEO対策、デザインに強みを持ったメンバーが、最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。