2024年6月15日

夏バテ予防と対策

治験コンシェル

夏バテ予防と対策

夏バテとは

夏バテとは、気温の高い室外と、冷房による気温の低い室内との温度差による自律神経の乱れや、高温多湿の環境による発汗の異常、寝苦しさによる睡眠不足などが原因で起こる様々な体調不良の総称をいいます。
夏バテは、高温多湿による大量の発汗や、エアコンによる屋外と室内との気温差によって起こります。そのため夏バテは名前の通り、8月の猛暑の時期に最も起こりやすいです。早い人では、夏の始まる7月初旬から夏バテの症状を感じる人もいます。
近年では、残暑が厳しい年も多く、9月に入っても夏バテの症状に苦しむ人は少なくありません。
9月の秋口に入ってから自覚する夏バテの症状は、秋バテとも呼ばれます。

夏バテのおもな症状

まずは、夏バテの症状について見ていきましょう。

疲労感

疲労感は、夏バテの代表的な症状です。
普段通りの生活を送っていてもなんとなくの疲れや、体がだるいと感じる日が続き、疲れや体のだるさが抜けなくなります。
疲労感は蓄積していきますので、症状はどんどん悪化する可能性もあるでしょう。

脱水症状

夏の暑さで大量の汗をかくと、体の水分が失われてしまい脱水症状を起こします。
脱水症状が起こると、頭がぼーっとする・立ちくらみが起こる・頭痛・吐き気など、体にさまざまな不調が現れます。

睡眠不足

猛暑による寝苦しさから睡眠不足や眠りの質の低下が起きると、体内時計が大きく乱れ、日中でも眠気が取れなくなってしまいます。
眠気が取れないと、仕事や勉強にも集中できなくなり、生活に大きな支障が起こります。
睡眠不足は、体温維持能力が低下し熱中症の要因にもなることがわかっています。

食欲不振

夏バテで自律神経が乱れると、胃腸の機能も低下してしまいます。胃腸の機能が低下すると、食欲がなくなりエネルギーや栄養が不足することによって、だるさや倦怠感がさらに悪化する場合もあります。
また、筋肉のもとになる栄養素(タンパク質など)が不足すると、さらに筋力が下がり不健康な痩せ方をしてしまいます。

頭痛

冷房による室内と室外での温度差で自律神経が乱れていたり、激しいスポーツなどで汗をたくさんかくと脱水状態となり頭痛を引き起こしています。

下痢、便秘

体を冷やしすぎたり、冷たい食べ物や飲み物を摂る頻度も増えることで、胃腸が冷えてしまいます。そして、胃腸の働きが低下し、下痢などの便通トラブルが起こりやすくなります。

夏バテのおもな原因

温度差による自律神経の乱れ

夏場に室外の気温が上がり、屋内でエアコンを強く効かせると室内外での温度差が大きくなります。
最近では、温暖化の影響もあり「酷暑」や「猛暑」と表現される日が増え、外の気温に合わせて室内では冷房の温度が低めに設定されています。
温度差も大きく、暑い屋外と涼しい屋内を行き来するだけで自律神経が乱れ、夏バテの症状が出ることもあります。
自律神経が乱れると、身体のだるさや頭痛、めまいなど、さまざまな症状を引き起こします。
自律神経は、体内のすべての臓器とつながり全身を調整するシステムであるため、自律神経が乱れると、身体のだるさを感じたり、疲れがとれにくくなったり、頭痛、めまいなどのさまざまな症状を引き起こします。

発汗による水分・ミネラル不足

蒸し暑い場所や直射日光の強い屋外に出ると、気温と同じように体温も上昇します。そして、上がった体温を下げようと汗をかきます。
夏の暑さによって汗をたくさんかくと、汗とともに身体に必要なナトリウムやカリウム、カルシウムなどのミネラルが失われ、疲労感やだるさの原因になります。
ミネラルは体内では作り出せない成分なので、意識的に補給しなければ水分・ミネラル不足の状態となってしまいます。
水分やミネラルの不足は、夏バテの症状である脱水症状の原因であり、食欲不振やめまいといった症状を引き起こしてしまいます。

食欲不振による栄養不足

気温が上がり暑くなると、消化酵素が上手く働かなくなり、食べ物を消化しにくくなります。その結果、栄養の吸収が悪くなり食欲が落ちてしまうのです。食欲不振による栄養不足によって、だるさや疲れを感じさせやすくなり、夏バテの症状を重くする原因となります。 また、暑いときには、自然と身体が冷たい飲み物や食べ物を欲しますが、冷たいものを摂りすぎると胃や腸を中心に内臓も冷え、それぞれの機能低下を起こし、胃もたれや下痢につながります。

もし夏バテになったら

もし夏バテになってしまった場合に、夏バテを素早く治す方法を紹介します。

こまめな水分補給

人間は身体に熱がこもると、熱を発散するために発汗し、大量の発汗により体内の体液バランスが崩れ、身体のだるさなどの夏バテ症状を引き起こします。
そして、脱水状態が進行すると熱中症にもなるため、水分と塩分はこまめに摂取をしましょう。
夏バテ対策の際はこまめな水分補給と一緒に塩分補給を忘れないようにしましょう。

ストレッチなどの軽い運動

夏バテの治し方の1つであるストレッチや軽い運動は心身の疲労回復に役立ちます。
暑い時期に運動することは発汗量も増え、脱水症のリスクも上がりますが、運動は自律神経の働きをよくし、夏バテの解消に効果があるといわれています。
涼しい時間に、無理せずリラックスして行うことを意識して運動をしましょう。
運動習慣のない方が、急にきつい運動を始めてしまうと、筋肉痛が起きたりケガをしたりする場合もあるため、身近にできることから始めてみましょう。

マッサージ

夏バテの治し方では、自律神経を整える方法としてツボマッサージがあります。
冷え性の方の夏バテの治し方には、特に足ツボマッサージが効果的です。
足は心臓から1番遠く、血液の循環が悪くなるため、足ツボマッサージをする事で、身体全体の血液の循環を良くできます。
お風呂に入ったときに、足の裏の人差し指と中指の骨の間で、少し窪んだところにある湧泉(ゆうせん)というツボを押すと、自律神経の働きが高まり、疲れも早く取り除くことができます。また、ぬるめの湯船につかってゆっくりすると自律神経のバランスが回復するといわれています。
夏バテに効くツボとして他には、
・冷え症に効く三陰交(さんいんこう)
・食欲不振や体力低下に効く足三里(あしさんり)
・下痢や腹痛に効く関元(かんげん)
などがあります。

市販の薬を使う

食事だけでは必要な栄養素が摂れなかったり、疲労感が続くというときには、市販の薬を服用してみるのも一つの手段です。
夏バテの症状緩和の対策として、疲労やだるさに効果があるビタミンB1、B6、B12が配合されたビタミン剤や栄養を補給するドリンク剤を活用してみましょう。
しかし、カフェインが多く入った飲料は一時的には意識がしっかりとするように感じますが、リバウンドが大きく、疲労回復に薬のように使うことは勧められません。

病院で診察を受ける

夏バテの症状が重くつらいときや、夏バテが長期間続くようなときは、重い疾患が隠れている場合もあります。
病院などの医療機関で診察を受けましょう。

夏バテを防ぐ生活習慣

しっかりと睡眠をとる

自律神経の働きを正常に保ち、夏バテを予防するには休養と睡眠を十分にとることが重要です。
同じ時間の睡眠でもぐっすり眠るのと頻繁に目を覚ますのとで、疲れの取れ具合が異なります。
質の良い睡眠を取るためには、快適な睡眠環境に整えることが必要です。
温度設定を変える 冷房の温度は28度を目安に設定することをお勧めします。
しかし、職場や公共機関では自分で温度を調整する事ができない事も多いと思います。その場合は、上着を羽織ったりして体に直接冷房の風が当たらないような工夫をしましょう。
また、睡眠時にはタイマー機能を使用するなどで、睡眠の質が良くなる可能性もあります。
暑くて目覚めてしまう人は、寝具を工夫する事でぐっすり眠れるようになるかもしれません。

運動習慣をつける

適度な運動で汗をかくと汗腺の働きが正常になり、夏バテの予防になります。
運動を長時間取り組んだからといってより効果が得られるわけではないため、無理のない範囲で行いましょう。
軽めの運動でも、毎日汗をかくことで暑さに身体が順応し、夏バテになりにくくなります。
運動は熱中症対策のために、朝や夕方の気温が低い時間帯に行うようにしましょう。

バランスの良い食事

夏バテ予防のためには、栄養バランスの良い食事も大切です。疲労回復に必要な糖質を適度に摂取した上で、タンパク質・ミネラル・ビタミンもしっかりとることが重要です。
夏バテは、冷たいものばかり食べてしまい、内臓に負担がかかることで起きるため、食事はできる限り温かくて消化の良いものを選ぶように心掛けましょう。
また、スパイスなどの香辛料は食欲増進の効果が期待できるので、カレーやエスニック料理などを取り入れるのもおすすめです。
スパイスの辛味成分には、唾液の分泌を促進させて食欲を高めるという効果があるため、消化が促進されて胃腸の調子も整います。
そして、体を温める作用のあるスパイスが、冷房の冷えによるむくみを防ぎ、内臓が温まることで免疫力の向上も期待できます。
最後に、よく噛んで食べることは胃腸の負担を減らすとともに、副交感神経を刺激して、自律神経を整える効果にもつながるので、一口30回噛む事を意識しましょう。

夏バテを防ぐ食べ物

うなぎ

夏バテを治すために、うなぎは効果的な食べ物になります。食べるとスタミナが付くイメージの通り、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンDと栄養素が含まれています。
うなぎは夏バテ解消の疲労回復の効果以外にも、
・視力の低下の予防
・肌の健康維持
・脳卒中の予防
・丈夫な骨の維持
・口内炎の予防
・高血圧の予防
などさまざまな効果があります。

牛肉

栄養価の高い食べ物といえばお肉ですが、お肉の中でも栄養満点なのが牛肉です。
牛肉をはじめとした食肉にはタンパク質が多く含まれており、部位にもよりますが、牛肉は豚肉や鶏肉よりもタンパク質の含有量が多い傾向があります。
タンパク質は筋肉や髪の毛、肌など身体を作る上で必要不可欠な栄養素で、不足してしまうと夏バテの原因にもなります。タンパク質以外にも、疲労回復に役立つビタミンB類や鉄分などの身体に必要な栄養素が豊富に含まれています。
夏バテを防止したい場合や、解消したい場合はステーキやハンバーグなど、牛肉を使った料理を食べるのがおすすめです。

豚肉

豚肉は牛肉と比べ安価で食べやすいのが特徴ですが、牛肉と同じようにタンパク質やビタミン、鉄分が豊富で、特に疲労回復効果のあるビタミンB1が豊富に含まれています。
豚肉には脂質も含まれていてカロリーが気になる方は、低カロリーでビタミンB1の含有量の多いヒレやもも肉を選ぶようにしましょう。 ヒレやもも肉は高タンパクで脂質も少ないのが特徴です。

オクラ

さまざまな栄養素が豊富に含まれているオクラは、夏バテ予防や健康に良い食材です。
オクラのネバネバはペクチンという水溶性の食物繊維によるものであり、整腸作用を促し、便秘や下痢を予防する作用があります。
また、オクラに含まれるβカロテンは、体内でビタミンAに変換され、粘膜の健康を維持します。
オクラには夏バテなどの疲労回復にも効果が期待できる、ビタミンB1も含まれています。免疫力アップや抗酸化作用を持つビタミンCも多いので、体の老化予防の作用もあります。
オクラに含まれているカリウムには体内の余分な塩分を排出する作用があるため、むくみ防止にも効果があります。
オクラは健康の維持に効果的であるので、積極的に摂るようにしましょう。

トマト

トマトに含まれているリコピンは、活性酸素を抑制する効果があり、体の酸化を抑え老化を予防します。また、シワやシミの原因となるメラニンの発生を抑える作用もあります。
トマトは、ビタミンやミネラルが豊富であり、汗で排出されてしまうカリウムやカルシウムなど、夏場に摂りたい栄養素が多く含まれています。肌荒れ予防や荒れた肌を回復する効果もあります。
生で食べても十分栄養素のあるトマトですが、加熱することでリコピンの吸収率がアップするので、スープなど温めて食べるのもおすすめです。

きゅうり

栄養価がほとんど無いといわれているきゅうりですが、体内の不要な塩分の排出を促すカリウムが豊富に含まれています。
カリウムは汗で流れやすいため、汗を多くかく夏場こそ積極的に食べたい食材です。
疲労回復や新陳代謝を促進する作用のあるシトルリンも豊富に含まれています。

梅干し

夏バテを治すためには梅干しに含まれるクエン酸が効果的とされています。クエン酸には、疲労感を軽減して新陳代謝を活発にする効果があります。
梅干しには、クエン酸の他にもリンゴ酸、コハク酸などの様々な酸が含まれており、クエン酸同様に夏バテを治すのに効果があります。
免疫力を高めるとされる「ビタミンC」を含んでいます。
特に料理しなくてもそのまま1粒食べるだけでいいので、食欲がないときでも食べやすいです。

レモン

レモンにはビタミンC・クエン酸が含まれており、ストレスの軽減や疲労回復効果、免疫力の向上に役立ちます。
また、レモンの酸味には、唾液と胃液の分泌量を増やし食欲の増進の作用があります。
レモン果汁と水やはちみつを入れてレモネードにすると、暑い日でも手軽に飲めますし、料理のアクセントとして魚や肉にかけてもよいでしょう。

日々の生活習慣を整え、栄養バランスの良い食事を摂ることが、夏バテの予防と改善に関係します。
冷房の使い方を見直す・運動や睡眠といった生活習慣を整えるなど、自律神経のバランスを乱さないことも大切です。食欲がない場合は無理をせずに、疲労の回復に効果がある栄養ドリンクやビタミン剤を活用し、不足しがちな栄養素を補うのもよいでしょう。
夏バテ予防のコツを意識し、夏を乗り切りましょう!


新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html

執筆者

治験コンシェル
治験バンクコラムの企画・執筆・編集をしています。マーケティング、SEO対策、デザインに強みを持ったメンバーが、最新情報やノウハウをわかりやすくお届けします。