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2022/02/15

爪白癬(つめはくせん・爪水虫)について

爪白癬(つめはくせん)とは?

「足の爪が白っぽく濁ってきた」、「分厚くなって、ボロボロ欠けやすくなった」、「爪が変形して足指に食い込み、痛い」、「爪を切るのが難しいくらい厚くなった」・・・
これらは爪白癬と呼ばれる病気の症状です。そして、爪白癬と診断されるきっかけは、ほとんどが足の爪の異変からです。

爪白癬は、カビの一種である白癬菌が足の皮フから爪の中に侵入して住みつくことで爪の下の角質が厚くなり、爪が濁って見えるようになり、次第に分厚くもろくなっていくのが大きな特徴です。

原因は?

白癬(はくせん)とは、皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)というカビで起こる「感染症」のことです。日本では、皮膚糸状菌を白癬菌と呼んでいます。
皮フが白癬になると、かゆみ、ただれ、小さなブツブツ、表皮がボロボロむける、足の裏の角質が硬くなるなどの症状が出ます。いわゆる「水虫」と呼ばれているものです。

水虫というと、「かゆい」というイメージがありますが、爪白癬は爪に発症するため(爪には神経がないため)痛みやかゆみはありません。足の水虫が長く続き、白癬菌が爪に入ることで発症するのですが、初期にはなかなか気づきにくいという特徴があります。

爪白癬は爪の先端から始まり、徐々に根元のほうに広がっていきます。症状が進行すると、爪は黄褐色になっていき、ポロポロと欠けたり変形したりして皮フに食い込み、痛みをともなうこともあります。また、爪の下の皮フがボロボロになるのも特徴の一つです。
一度発症すると治りにくい病気です。

治療法は?

日本での疫学調査によれば、足白癬(水虫)が増え始める5月には、5人に1人は足白癬があり、また10人に1人(約1,100万人)は爪白癬があると報告されています。
爪白癬の患者は、ほとんどの症例ですでに水虫を患っていることが分かっており、「自分の足の白癬菌が爪に移り住んだ結果」という見解が定着しています。
爪白癬を治療せず放置しておくと、爪が菌の貯蔵庫となって水虫がいつまでも治らなかったり、自分のからだの別の部位に発症したり、さらには家族や周囲の人にまでうつしてしまう可能性があります。

治療は飲みぐすりで

爪白癬の治療には抗真菌薬と呼ばれる内服薬(飲みぐすり)が使われます。爪は硬いため外側からくすりを塗っただけでは、爪の中にいる白癬菌にまで効果が行き渡りにくいためです。
治療は白癬菌に有効なイトラコナゾールとラミシールという薬を内服します。飲み薬は全ての白癬に有効ですが、前者は他の薬剤との飲み合わせの問題が多く、後者は肝機能などの重篤な副作用をおこすことがあるため血液検査をしながら内服治療をすすめます。

20年ぶり!経口治療薬が承認

2018年、爪白癬治療薬ホスラブコナゾールL-リシンエタノール付加物(商品名ネイリンカプセル100mg)の製造販売が承認されました。経口抗真菌剤としては、実に20年ぶりの新薬承認です。
用法用量は「成人に1日1回100mgを12週間経口投与」となっています。
爪白癬に苦しむ患者さんにとって、安心できるうれしい新薬の登場となりました。

新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html