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  • 豆知識

2022/02/15

腹圧性尿失禁について

腹圧性尿失禁とは?

次のようなことでおなかに力が入った時、尿が漏れてしまうことはありませんか。
咳やくしゃみをする、笑う、走る、ジャンプする、テニスやゴルフなどのスポーツをする、重い物を持ち上げる、坂道や階段を上り下りする。

腹圧性尿失禁は、運動やさまざまな動作のとき、腹部に圧力がかかることで起こります。週1回以上経験している女性は約500万人以上といわれ、出産経験のある高齢の女性に最も多いタイプの尿漏れです。

その原因は?

尿道を締める機能を持つ尿道括約筋などの骨盤底の筋肉が弱くなったり(ゆるむ)、傷んだりすることでおこります。
主な原因としては、出産、加齢、閉経後の女性ホルモンの低下、肥満や便秘、骨盤内の手術、尿道や子宮の位置異常などが挙げられます。
骨盤底の筋肉が損傷する(ゆるむ)と膀胱の出口が下がり、腹圧がかかった時に尿道が通常より大きく動いてしまって尿が漏れやすくなります。
荷重労働をする、排便時に腹部に力を入れる(便秘)ほか、喘息も骨盤底筋を損傷する原因になります。

女性に多い症状ですが、男性の場合は、前立腺の手術の際に尿道括約筋が傷つけられたり、術後に尿道括約筋の力が低下したりして、腹圧性尿失禁が発生することがあります。
男性よりも女性の方が多い原因としては、出産のほか、膀胱から尿道までの長さと形体の違いが挙げられます。

治療法は?予防は?

軽度の場合は、骨盤底筋体操で骨盤の筋肉を鍛えて改善を目指します。緩んでしまった骨盤底筋を鍛えて臓器が下がるのを防ぎ、尿道や肛門を締める力やコントロールする力をつけることで、尿漏れを防ぎます。
急激に体重が増えた人は、減量するだけで効果が出ることもあります。

薬による治療としては、膀胱を緩め、かつ尿道を締める働きのあるβ受容体刺激薬などの内服があり、重度の場合は、尿道の周りにコラーゲンを入れる手術や尿道を締める機能を補助する手術を行います。
ほかにも、尿道の下にテープを通して尿道を支える手術、骨盤臓器脱がある場合は、メッシュを用いて修復する手術を同時に実施することもあります。

予防も大切

骨盤底筋を鍛える体操を朝・昼・夜・就寝前と各20回程度、合計40~100回、毎日行いましょう。
方法は、仰向けやよつんばい、座った姿勢で、リラックスして呼吸を止めずに肛門や尿道、膣を縮め、5つ数えてからゆっくり力を抜くというものです。
腹筋運動は症状悪化の恐れがあるという説があるので注意してください。また、腸が便で満杯になった状態を放置しておくと、膀胱にさらなる刺激を与える可能性があると言われているので、便秘にならないよう心がけることも大切です。また、肥満や喫煙も影響があるといわれているので注意したいものです。

新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html