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  • 豆知識

2021/02/05

くすり(有効成分)の流れと治験の役割

くすりと上手に付き合うために。知っておきたいくすりの流れ

私たちが病気になったとき、病院で処方してもらったり、薬局で買ったりして飲んでいる「くすり」は、体の中をどのように進み働いているのか、知っていますか?
くすりが効く仕組みにはいくつかありますが、ほとんどが血液によって患部まで運ばれ、細胞の表面にある「受容体(レセプター)」と結合して神経細胞の働きを活性化したり、あるいは抑制したり、遮断したりすることで病気の進行を止めたり、症状をやわらげたりしています。

ここでは一番身近な内用薬を例にあげてくすりの流れを紹介します。
内用薬とは口から飲み込み、胃や小腸で溶けて吸収される飲みぐすりのことです。

1、口
くすりを飲みます。カプセル剤、錠剤、散剤(粉ぐすり)、液剤、シロップ剤など。

2、腸(腸管)
飲んだ錠剤やカプセル剤は胃で分解され、大部分は小腸に入り吸収されます。吸収されたくすりは小腸を取り囲む血管に入り、肝臓に届きます。

3、肝臓
肝臓に入ったくすりは、一部は代謝され、ごく一部の有効成分(※1)が静脈に送られて、血液とともに体内を循環します。

4、血液
体内をめぐる循環血によって、有効成分は15分から30分で患部にたどりつき、作用します。

5、肝臓
患部でくすりとして作用した後の有効成分は、ふたたび血液中に戻り、全身の臓器や組織に送られたり、肝臓で代謝されたりします。

6、排泄
くすりは、肝臓から胆汁の中に排出されて便になったり、腎臓を通過して尿になったりして体外に出ていきます。

※1 飲んだくすりは全成分が患部に届き、効果を発揮するわけではありません。肝臓に入ったくすりは、一部分あるいは大半が効果のない別の成分に変えられて(代謝)、腎臓などに送られ、尿や便となって排出されます。
せっかく飲んだのにもったいない話ですが、これは命を守るための、大切な生理機能の一つです。
くすりは、病気が早く治るよう手助けをしてくれるありがたいものですが(治すのは体に備わっている治癒力)、体にとっては“異物”です。飲んだ全量が効果を出すと、体への大きな負担になります。その異物と戦うために別の機能が発動するなど、病気の体に、さらに負担をかけることになりかねません。
そのため、適量が最適な場所(患部)に届くことが重要なのです。

くすりの流れと効果は、治験で確かめる

くすりの安全な用法を知るために

内用薬の多くは胃で分解され小腸で吸収されます。
空腹時にくすりを飲むと胃から小腸へとすばやく移動します。逆に、食後に飲むと、胃の中の食べ物とくすりが混ざるため、小腸へ届くまでに時間がかかります。
ということで、早く腸へ届けたい薬は空腹時に飲み、ゆっくり届けたい場合は食後に飲むよう指示されます。ほかにも、空腹時に飲むと胃の粘膜を荒らす、食べ物と混ざるとくすりの効果が減ってしまうなどさまざまな理由から「いつ飲めば最適か」を調べることは治験の重要なテーマとなっています。

※治験の第1相試験(フェーズ1)では、少数の健康な成人(治験モニター)を対象に、主に安全性を調べます。実際の使用量にくらべ、ごくわずかの量を用いて、くすりがどのように巡って体に吸収・代謝され、排出されるかなど、効果以外の基本的な項目を調べます。

くすりが効果を発揮する最適の量を知るために

くすりの効き目や副作用の出現は、血液中のくすりの濃度(血中濃度)や、くすりを代謝する酵素の質や量によって左右されます。
基本的にはくすりの血中濃度が高ければ強く・早く現れ、血中濃度が低くなれば効き目は弱くなります。
くすりとして承認されるためには、血中濃度を一定に保ち、効果を最大限に発揮してかつ副作用のリスクを最小限にする用量・用法が確立していなければいけません。

※治験の第2相試験(フェーズ2)は、患者さんを対象にして有効性を試験します。「有効性・安全性・使用方法」を調べるために、用法と用量、どのタイミングで服用すると一番効果的か、副作用が一番少ない方法はどれかなどを調べていきます。
※治験の第3相試験(フェーズ3)も、同様に患者さんが対象です。ここが最終段階であり、より多くの患者さんに治験モニターになってもらい、データを集めます。