治験コンシェルでは、治験を通じて社会貢献する人をサポートします。

エリア
性別 タイプ
年齢

コラム

  • 豆知識

2022/02/15

バセドウ病について

バセドウ病とは?

しっかり食べているのに、どんどん体重が減る。
急に体温が上がり、異常なほど汗が出る。
突然動悸が速くなったり、指が震えたりする。
わけもなくイライラする。
目がとび出てきている。

甲状腺ホルモンは、全身の臓器に作用して代謝を司るなど、大切な働きを持っています。この甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで新陳代謝が活発になりすぎて、体全体が消耗してしまうのがバセドウ病です。
体が常に運動している状態のため、たくさん食べても消費するエネルギーのほうが多く、体重は減っていきます。また疲れやすく、動悸、指の震え、暑がり、汗かき、下痢、イライラなど、さまざまな症状が全身に起こります。
女性では生理が止まることもあります。
目に見える症状としては、眼球が前に押し出される眼球突出や甲状腺の腫れなどがあります。

20〜50歳代に発病することが多く(特に20~30代の若い女性に多い)、男女比は1:3~5くらいと言われています。
自律神経失調症や更年期障害に似た症状が多いため、間違いやすく、放置しておくと心不全など命に関わる症状が現れることもあるため要注意です。

その原因は?

バセドウ病は自己免疫疾患の一つです。自己免疫疾患とは、通常は細菌やウイルスなどの外敵を攻撃・排除して体を守るための免疫が、自分の臓器や細胞を標的にしてしまうことで起きる病気の総称です。
バセドウ病の場合、何らかの原因で甲状腺組織に対する自己抗体が作られ、これが刺激となってホルモンが過剰に産生・分泌されることで起こります。
自己抗体がなぜ作られるのか原因はわかっていませんが、バセドウ病になりやすい体質の人が、何らかのウイルス感染や強いストレス、妊娠・出産などをきっかけとして発症するのではないかと考えられています。

治療法は?

薬物療法

基本的な治療としては、甲状腺ホルモンの合成を抑える抗甲状腺薬による薬物治療を行います。最も手軽で、外来で治療ができるため、多くの場合、薬物療法からはじめます。
個人差はあるものの、薬の内服で1〜3カ月程度で症状は治まり、甲状腺ホルモン値が正常に近づきます。
欠点としては、副作用が生じる可能性があること、治療効果に個人差が大きく、再発率が高いことが挙げられます。薬物療法を2年以上続けても薬を中止できる目処が立たないときは、他の治療法を検討します。

薬物療法以外には、放射性ヨウ素治療や、手術で甲状腺を摘出する方法があります。甲状腺機能の程度や患者さんの年齢、薬に対する副作用の有無などを総合的に考慮して決めます。

放射性ヨウ素内用療法

放射性ヨウ素内用療法は、安全で効果が確実であり、甲状腺の腫れも小さくなります。再発を防ぐために甲状腺ホルモン薬を服用する場合があります。
欠点は、実施できる医療機関が限られていること、バセドウ病による眼の症状が悪化する場合があること、小児や妊婦・授乳婦には行えないことなどです。

甲状腺摘除術

甲状腺摘出術なら、最も早く確実に治療効果が得られます。ただし欠点があって、入院が必要であること、喉に手術痕が残ること、手術合併症(反回神経麻痺、副甲状腺機能低下症など)が生じるリスクがあることなどです。

再発を防ぐには?

ストレスによって病気が悪化・再発することがあります。なるべくストレスを避けて、バランスの良い食事と軽い運動を取り入れた規則正しい生活を送りましょう。
甲状腺ホルモンが高い時期に手術を受けると甲状腺クリーゼとよばれる危険な状態になることがあります。手術などはなるべく甲状腺ホルモンが正常になってから受けましょう。大きなケガにも注意してください。
また喫煙は治療薬の効果を弱めてしまうほか、目の症状が悪化する原因にもなります。禁煙を徹底しましょう。

新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html