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  • 豆知識

2022/02/15

子宮内膜症について

子宮内膜症とは?

激しい月経痛のため、いつも寝込んでしまう。
以前に比べて、どんどん痛みが強くなっている。鎮痛剤が効かない。
月経血の量が多い、不正出血がある、月経時に排便通がある。
赤ちゃんが欲しいのに、できない。

子宮内膜症とは、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの“子宮内膜組織”が、腹膜や子宮筋層内、卵巣など子宮以外の場所で増殖、剥離を繰り返す病気です。
子宮内膜は周期的に剥離して月経血となって体外へ排出されますが、子宮内腔以外の場所で増殖した子宮内膜は排出されることなく体の中にとどまるため、炎症や癒着を起こしてしまいます。20~40代の女性に多く見られ、不妊の原因の一つと考えられています。

子宮内膜症の自覚症状で最も頻度の高いものが、月経痛です
若いときから月経痛が強い
月経時に学校を休んだことがある、
鎮痛剤が効かないような月経痛がある
これは、子宮内膜症のリスク因子といわれていて、早期発見のポイントにもなります。

原因は?

最近、増加傾向にあると言われる子宮内膜症。原因は明らかになっていませんが、女性ホルモン、環境ホルモン、ライフスタイル、多忙な仕事など、子宮内膜症に影響を与えている要素も増えているのでは、と考えられています。

「初経が早い、妊娠回数が少ない、月経周期が短い」などの理由で、一人の女性が生涯経験する月経回数が増えたことが発症のリスクを高めていると考えられています(月経のたびに月経血が腹腔内に逆流する現象“90%の女性でみられる生理的な現象”によって病気は進行します)。

子宮内膜症ができやすい場所は、腹膜や卵巣、子宮と直腸の間のくぼみなどです。
卵巣にできたものを卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)と呼びます。
卵巣に病変ができると古い血液が溜まって卵巣がふくれ、周囲の卵管などと癒着して痛みや不妊の原因になることがあります。また、まれにガン化することがあるため、定期的に検査を受けましょう。

治療法は?

薬による治療と手術による治療があります。症状の重症度や、年齢、妊娠の希望などを総合的に判断して、最適な治療方法や優先順位を選択します。

ホルモン療法

薬物療法には、鎮痛剤で痛みを抑える対症療法のほか、Gn-RHアゴニストなどのホルモン剤を用いて人工的に月経を止めた状態にし、病巣を休ませる方法(偽閉経療法)や、男性ホルモンに近いホルモン剤を使用して子宮内膜を萎縮させる方法(ダナゾール療法)があります。
ホルモン療法には副作用があるため、使用には限度があります。

手術療法

将来妊娠を希望する人には保存手術を、子どもを望まない人には子宮を全摘出する方法をとります。子宮や卵管、卵巣などすべて摘出する根治手術もあります。
それぞれ術後の再発の可能性や更年期症状への対処を考え、ライフステージに応じて治療法を決めます。

治療後の注意点

子宮や卵巣を残す保存療法では、薬物療法および手術療法ともに、治療後の再発率は高いことが知られています。治療後も定期的な検査を受けることが大切です。
また、ホルモンバランスを整えるため、栄養の偏らない食事を心がけ、睡眠をしっかり取るなど、健康的な生活を送るように気をつけたいものです。

新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html