- 豆知識
2022/02/15
ドライアイについて
ドライアイとは?
- 目が疲れやすい
- 目がしょぼしょぼゴロゴロする
- 目が重たいと感じる
- 目が乾いた感じがする
- なんとなく目に不快感がある
- 光がまぶしい
- わけもなく涙が出る
- 目が赤くなりやすい
- 白っぽい目ヤニが出る
これらの症状は全てドライアイです。さまざまな要因によって、涙の量が減ったり涙の成分が不安定になるために起きる現象です。
ドライアイの患者さんは、「目が乾く、疲れる」という典型的なドライアイ症状だけでなく、さまざまな不快感に悩まされています。
たとえば、もともと視力が良い人でも「ものがかすんで見える」など、見え方に影響が出る場合があります。
さらに、ドライアイという言葉からは想像できない症状もあります。実は「涙が出る」というのもドライアイの特徴の一つです。角膜表面に涙が足りなくなると、一過性で多量の涙を出します。しかしこのようにして分泌された涙は角膜表面にとどまることなく排出されるため、「わけもなく涙が出る」という状態になってしまいます。これは涙の質が落ちているからです。
ドライアイ
乾燥した目は、目の表面に傷がつきやすくなり、そのままにしておくと、目の表面だけでなく、角膜や結膜の健康まで損なわれる可能性があります。
その原因は?
ドライアイの原因として考えられること。
パソコンなど電子機器を長時間使う
仕事で毎日パソコンを長時間使う、ネットゲームで画面を凝視することが多い、しょっちゅうスマホをのぞいているなど電子機器を見続けていると、まばたきの回数が減少して涙が行き渡らなくなり、目が乾いた状態になります。
コンタクトレンズを装用している
コンタクトレンズを使用している人は、使用していない人に比べて目が乾燥しやすい状態にあります。目がごろごろする、充血するなどの症状が出るのはドライアイの可能性が大です。
エアコンを長時間利用する
空調が効いたオフィスで一日中仕事をしている人、家庭でエアコンや扇風機の風を無防備に顔にあてている人、要注意です。目はすぐに乾いてしまいます。
夜更かしをする
残業、接待、飲み会や深夜までネット検索をしたりゲームをしたりで、知らず知らずのうちに睡眠不足に。
高齢である
年をとるとさまざまな老化現象が現れます。目も例外ではありません。
年齢を重ねるごとに涙をつくる涙腺の分泌機能が低下し、分泌する涙の量が減ることが知られています。
ドライアイはその名前から、単に涙が不足した一時的な「状態」と、軽く考えられがちですが、最近の研究によって「涙と粘膜の疾患」であると認識されるようになりました。
私たちの目の表面は涙と粘膜で守られており、涙の成分や分泌機能に異常が起こると、粘膜にも異常が起こります。その粘膜の異常が涙をさらに不安定にしてしまい、この悪循環が進むと、目の表面を守るシステムが慢性的に破綻した状態・・・ドライアイになります。
ドライアイは、2,200 万人以上もの患者さんがいると推定されているにもかかわらず、まだ、病気としての認識が十分にはされていません。症状が進行すると、視力低下や痛み、角膜上皮剥離(角膜が乾燥してはがれる病気)を発症してしまうこともあります。
少しでも異常を感じたら、迷わず眼科に行きましょう。
治療法は?
ドライアイは、眼科で適切な診断と治療を受ける必要のある病気です
おもな治療には点眼液によるものと涙点閉鎖(涙点プラグ)があります。
点眼液
これまでは水分を補給し、傷ついた角膜を修復する「涙としてはたらく目薬」しかありませんでした。しかし最近では、涙の各成分に直接働きかけるタイプの目薬が開発され、各患者さんの涙のタイプに応じて、正常に機能していない涙の層をターゲットにする「層別治療」ができるようになりました。
涙成分の中の油層を対象とした治療、液層を対象とした治療、目の表面の細胞を対象とした治療という、それぞれの層に合わせた治療が行えます。
涙点プラグ(涙点閉鎖)
点眼液で効果が得られない場合は、涙点閉鎖による治療を行います。
涙は通常、目から鼻に流れていきますが、その入り口(涙点)をプラグでふさぐことで、涙を目の表面に十分に留まらせる方法です。涙点にシリコンや合成樹脂製の涙点プラグを挿入するため、この名前が付いています。涙点閉鎖の治療には、涙点を縫い合わせる涙点閉鎖術もあります。
新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html