- 豆知識
2022/02/15
COPD(慢性閉塞性肺疾患)について
COPDとは?
ちょっと動いただけで息切れがする。1日に何度も咳が出る。呼吸をするとゼイゼイ、ヒューヒューと音がする。白や黄色のタンがよく出る。時にはぜんそくのような症状が出ることもある。
肺の生活習慣病ともいわれるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は、これまで肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていた病気の総称です。
タバコの煙などの有害物質を長年吸い込むことで肺に炎症が生じ、肺機能が低下、悪化して咳・タン・息切れが強くなり、生活に支障をきたすようになります。咳や呼吸困難などの症状は気管支喘息に似ていますが、「進行性」であるという点が異なります。
日本では、40歳以上の人口の9%近く、約530万人の患者がいるとみられています。あまり知られていない病気のため、ほとんどが診断も治療もしていない状態です。
COPDは日本人の死亡原因の9位、男性では7位となっており、年々死亡者数が増えています。
原因は?
大気汚染や粉じんの吸引、乳幼児期の呼吸器感染、遺伝などもあげられますが、最大の原因は「喫煙」です。喫煙者の15〜20%がCOPDを発症すると言われています。受動喫煙も発症の原因となります。
タバコの煙を吸いこむと、肺の中の気管支にむくみや炎症がおきて咳やタンがひどくなり、このタンを取り除くために、タンを伴う咳がひんぱんに出ます。
また、気管支が細くなることで空気の流れが低下し、気管支が枝分かれした奥にあるぶどうの房状の小さな袋である肺胞(はいほう)が破壊されて、肺気腫という状態に。これによって、酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する機能が低下します。COPDではこれらの変化が併存していると考えられており、低下した肺機能は、治療によって元に戻ることはありません。
喫煙歴が10年以上ある人、40代以上で自覚症状がある人はリスクが高いため、早めの受診をおすすめします。
治療法は?
何よりも禁煙することが大事です。一端低下した肺の機能を回復させることは困難ですが、禁煙と薬物治療によって現状を改善し、悪化を防ぐことや発症の予防はできます。
薬物療法では、気管支を広げて呼吸を楽にする気管支拡張薬(吸入薬、貼り薬、内服薬)があります。重症者には酸素を供給する器具を使うなど、酸素療法で呼吸をサポートします。
COPDの方は、呼吸をするだけでも身体に負担がかかり体力が消耗するため感染症は大敵です。新型コロナが蔓延しているこの時期、手洗いやワクチン接種などで予防を心がけましょう。
新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html