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  • 豆知識

2022/02/15

アルツハイマー型認知症について

アルツハイマー型認知症とは?

新しいことを覚えられない、仕事の約束や出来事など、すべてを忘れる。夕食は何だったかという以前に、食べたことそのものを忘れる。毎日通っている道で迷う。お金を盗られた、中傷されている…などと言い出す。

認知症は、「特別なこと」ではなくて誰の身にも起こり得る普通のことです。
現在、65歳以上の高齢者の、4人に1人が認知症またはMCI(正常と認知症との中間状態、軽度認知障害)と言われています。
認知症とは、正常であった記憶や思考などの能力が、脳の病気や障害のために低下していく病で、いくつかの種類がありますが、いちばん多いのがアルツハイマー型認知症。男性より女性に多く見られ、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程で発症します。

認知症の初期は、加齢による単なる「もの忘れ」に見えることが多いのですが、そのうちに、憂うつになる、外出しなくなる、気力がなくなった、被害妄想がおきる、外出すると迷子になる、お金の勘定ができなくなるなどのサインが出てきます。こんな時にはご家族が専門機関に相談してみましょう。

原因は?

アルツハイマー型認知症は脳内にアミロイドβというたんぱく質が異常に蓄積し、それによって神経細胞が損傷したり神経伝達物質が減少したりして、脳全体が萎縮して起こると考えられています。ただ、なぜそうしたタンパク質がたまるのかは分かっていません。
アルツハイマー型認知症では、このような脳の変性や萎縮がゆっくりと進行していくため、発症(診断)したときには、すでに長年にわたってたんぱく質が蓄積した状態になっており、効果的な予防や根本的な治療は困難です。

60代以上で、年齢が高くなるほど多く見られるアルツハイマー型認知症ですが、40〜50代の若い世代で発症する若年性アルツハイマーもあります。若い世代の発症には、近親者にアルツハイマー病が見られるなど遺伝的要素が推測されますが、高齢での発症は遺伝との関連性は薄いとされています。

治療法は?

現在のところ、認知症を完全に治す薬や治療法はありません。そのため、できるだけ症状を軽くする、または進行の速度を遅らせることが現在の治療目的とされています。治療法には薬物療法と非薬物療法があります。

薬物療法

アルツハイマー型認知症は、抗コリンエステラーゼ阻害薬に、ある程度の症状改善効果が認められています。ただ、この効果は一時的で、進行を完全に抑えることはできません。そのため、できるだけ早期から治療を開始して、少しでも軽症の段階にとどめることが大切です。早期発見が重要になってきます。

非薬物療法

徘徊・睡眠障害・家族への依存・暴言・暴力・せん妄などの「周辺症状」は、介護者への強いストレスや負担になることが多く、薬物を使って症状を抑えたくなるものですが、周辺症状に使われてきた薬の中には、認知症の症状をかえって悪化させるものがあるため、薬物療法には慎重を要します。

まずは薬に頼らず、患者さんを刺激しないこと(患者さんの虚言を否定したり、叱ったりしないで耳を傾ける態度をとるなど)、規則正しい生活をおくるようにする、環境を急激に変えないようにする、などを心がけます。
また、認知能力を高めるためのリアリティ・オリエンテーション(常に問いかけを行い、場所・時間・状況・人物などの見当識を高める)、簡単な楽器演奏や運動などで刺激を与える、過去を回想するなどの療法を行う場合もあります。

とはいえ、症状が進み、周辺症状が激しくなってくれば、介護者の疲労や負担、不安を考えて薬物療法を試すこともあります。

新しい薬を誕生させるために行われる「治験」についての説明は公的機関の情報もご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu.html